ブログを始めてから毎年毎年その年に観た映画の感想とその映画に合いそうな主題歌を考えてまとめております。
映画館に行くのが好きで年に10数本と一般的にみるとわりと観に行く方ではあったので、上半期下半期で毎年分けてその感想を備忘録的にまとめていたのですが、
昨年はコロナの状況下と、自分のハードワークすぎる毎日が重なり、映画を観に行くことがかなり難しいような生活環境…。年になんと4本しか観れず、絶望的でした…。
そして私は映画を観た後はその帰り道にいつもevernoteに箇条書きに感想をまとめているのですが、今年はそれも全然できてない。ひどい。
それでも意地のように思い出す感想はまとめてのせておきます。もはや意地で観たような4本です。ネタバレは多分そんなにしてないはず…?
1:パラサイト 半地下の家族
第72回カンヌ国際映画祭で最高賞!『パラサイト 半地下の家族』予告編
コロナ前に観に行った年初めの映画。昨年上半期を大いに盛り上げた、映画「パラサイト」。一昨年から面白いというその噂は耳にしていて、観に行くのを楽しみにしていたら、ちょうどいろんな映画祭で最高賞を受賞しまくり、めちゃめちゃ混んでました、すごかったなぁ。
この映画、なんというかほぼ何を言ってもネタバレになりそうな気がして、あんまり感想もまとめられないのですが…、とにかくいろっっんなところに伏線を張り巡らされており、そしてそれが繋がっていくのがちゃんとわかる展開になっているので、分かりやすくてとっても観やすい。映画美術セット一つにしても、出てくるモチーフや、何かを表す単語だったりと。あと場面の転換とか、手に汗握るような展開の魅せ方がとってもうまいので、劇中の登場人物たちと一緒になって焦ったり心臓をバクバクさせたりするのがとても楽しかったです。没入感を味わえるというか。
物語はタイトルの通り、裕福な家庭に下級家族が寄生をしていく話なのですが、ただそれだけじゃないんですよね…物語の終盤では、もっともっと奥底に眠るまたもう一つのどんでん返しが起きるので、(うわっもう終盤だけどまだいくのか…!)と映画を観ながら思いました。でもどれもこれも全てが最後にはおおっぴろげにせずに繋がってちゃんと風呂敷が畳まれていくので、ほわー、面白い!と最後に素直に思える映画でした。
あとなんというか、上流階級の人に下流家族が下克上をしよう!というようなストーリーでなく、「寄り添ってうまく生きていく」ということをユーモア(私的には)を用いながら描いてるところが面白かった要素のまた一つかなぁと思いました。本当美術も素晴らしかったなぁ。あとみんな演技がうまくてそれもまた確実に没入できる要素でした。みんながみんな、こういう人、リアルに絶対いそう!っていうやつ。
ハラハラしながらもとても考えさせられたので、是非いろんな人に観てもらいたい映画です。
あとこの表面に対する、裏側を描いたポスターがとても秀逸だと思います。↓
「パラサイト 半地下の家族」観てきた 去年から絶対観たいと思ってたら口コミで話題になったかで満席だったのですが、超面白いのに何とも言えない虚しさもあって考えさせられまくった…これどこで終わるんだろうってずっと思ってしまうくらい見所だらけだった 体力使ったので観賞後お腹が減りました pic.twitter.com/Gq7cWIhdgB
— ぱる (@bi9ri) 2020年1月13日
あとこの作品、言葉で語らない意味のあるカメラワークやその場の空間の使い方みたいなのがしつこいくらいあって、演出すごいな!って思った 作品の舞台となる上流階級の一軒家の作りもそれぞれ見事な使い方でどんな構造マニアが関わってんだ…と思ってしまうくらいワクワクした
— ぱる (@bi9ri) 2020年1月13日
★Tempalay:「素晴らしき世界」
Tempalayの世界観がかなりこの映画にハマりそうだなと思い、もうTempalayだったらなんでもよさそう感あったんですが、「地下鉄は酒の匂いとため息が なんて素晴らしき世界 誰もがいかれてる瞬間 クリーンな僕がどうかしてるよ 愛だの恋だの洒落てんな クリーンな僕はどうかしてるよ」歌詞も含めた世界観がなんだかいいなぁと思いました。そういえばTempalay去年メジャーデビューしたそうで!これからも楽しみ
2:架空OL日記
バカリズム原作・脚本・主演連ドラの映画化。連ドラ時代は観ていなかったのですが、本当はすごく気になっていて、お友達から連ドラ観ていなくても全然いける内容だと教えてもらい、映画観に行きました。
お話自体は一本の映画の中で、銀行員OLたちの日常を何本かのショートストーリーにしてある流れで、すごく観やすい。あとなにより、登場人物の緩やかというか、温もり加減がちょうどよくって、それがまたすごく観やすい。本当に本当に大したことない日常のちょっとした出来事のお話だらけなのですが、それが妙にリアルで、今を生きている、今を仕事している、いわゆるOLの私には死ぬほど突き刺さるリアルが展開されていて驚いた。
なんというか、リズムくんって本当に心の些細な機微を感じとるのがうまいなぁと普段から思っているのですが、この映画の中でも本当に些細な気持ちのズレとか、しかも些細すぎて全然不快に思うとか違和感に思うとか、そこまでもいかないぐらいのほんの0.05段くらいの段差、みたいな感情の揺らぎとかをいちいち表現してるのが、本当に面白いです。
映画で見る価値があるのかどうかと問われるとそれはまたわからんのですが、でも私はこのテンション感を映画館で観れて、確実に癒されました。本当になんてことないんですが、そのなんてことなさが救いというか…うーんこの映画の良さをうまく説明ができない…!(笑)でも油断していると、ちょっとしたちゃんとした映画的な種明かしの展開も見せられて、ちょっとだけ切なくなったりもします。あと臼田さんのリアルとも重なってそこも微笑ましい。
そういえば今行かねば…と「架空OL日記」観てきたんですけど謎にMX4Dのスクリーンで更衣室ロッカー締める度に振動きたりすんのかなと思ったら特になにもなかったです。映画自体も面白かったな〜ドラマ版は観てなかったんですけど初見だからこそ登場人物の関係性とか一から解読するのが超楽しかったです pic.twitter.com/FYrn4mntuq
— ぱる (@bi9ri) 2020年3月8日
シムウンギョンさんのカラオケの歌い出しのわちゃっとなったところが超ツボだったんですけど、同じようにリズムくんも画面越しにリアルそうな感じで笑ってて楽しかった
— ぱる (@bi9ri) 2020年3月8日
リズムくんの映画、昨年WOWOWで放送していた連ドラ『殺意の道程』もすべて繋げて映画化するらしく、一話だけ無料で観たので、これも映画館で観るのがめちゃめちゃ楽しみです。設定とテンションだけでもう最高すぎる。あとタイトルも天才だなと思う。
バカリズム脚本!どうでもいい過程を細かく描いたサスペンスコメディ『劇場版 殺意の道程』予告編
★藤原さくら:「生活」
元々この作品の主題歌である吉澤嘉代子の「月曜日戦争」も大好きなんですが、そんな感じで生活感がある曲で女性の曲がいいなと思いました。で、最近リリースされた藤原さくらさんのこの曲がまた素敵でした。歌詞も今の状況下とも合間っていて素敵なので是非。最新アルバムとてもよかった〜。
3:コンフィデンスマンJP プリンセス編
『コンフィデンスマンJP プリンセス編』予告【7月23日(木・祝)公開】
「コンフィデンスマンJP」は元々古沢さんの脚本が好きなので第一シーズンのドラマ時代から観ており、前回の映画も観に行きました。↓
前回の映画を観た時も書いたのですが、この物語の特徴というか観るコツは、ラストに必ずどんでん返しを持ってくるので、とにかく我慢の耐久レース・耐久勝負であることだと思ってます。とにかく素直に騙され続けることが大事。中盤少しだれてきたとしても我慢、ひょっとしてこの人は…?と思ってもとにかく我慢、どんな無謀なことが起こっても全部受け入れて我慢!それは全てラストのどんでん返しのため!この耐久勝負を越えると楽しく気持ちのいいラストを迎えることができると思ってます。それは今回も変わらなかったです。耐久勝負なので途中もちろん???ってなるけど、古沢さんの脚本は設定と落とし所がスカッとするので、最終的にかなりお腹いっぱいになるのです。
展開もめちゃめちゃすごいスピードで駆け巡るので、これまでの出演者も入れ替わり立ち代わりでドンドン集合して出てくるし、これだけの状況作っておいてのすごいスピード感での説明能力の長けているところは、さすがフジテレビ映画って感じの仕上がりでした。「信じればそれが真実」というコピーも今回のテーマとなっていて、なるほどな〜!という落とし所でした、さすが古沢さん…という感じのテーマ。
今回の演者についてですが、もうまさみとW主演なんじゃないの?ってぐらいいい役もらっている柴田恭兵がこの歳だからだせる味がありとてもよかったです。あと三兄弟の3人も素直にそのキャラを全うしていてとてもよかった。あとそうだ、監督なのかプロデューサーの意向なのかわかりませんが、大穴新人女性キャストのタイプがめっちゃめちゃ似てるな!と思いました(笑)前回映画のモナコと、今回映画のコックリ、似すぎていてしばらく見分けがつきませんでした(笑)
忙しくなると時間なくなって見逃しそうだったので「コンフィデンスマンJP」観てきた〜今回も流れは同様で耐久勝負 途中オゥ?とはなるんですが、本当に古沢さんは設定と落とし所が上手いので結局お腹いっぱいの満足感がある あと三兄妹と柴田恭兵めちゃめちゃよかったな! pic.twitter.com/WUFKjLhZdi
— ぱる (@bi9ri) 2020年8月8日
★NONA REEVES:「ガリレオ・ガール」
もうコンフィデンスマンJPと髭男の関係性は確固たる感じになっておりますが、そこであえて別角度のおしゃれさを提案するとしたら、というのでNONA REEVESを挙げてみました。この曲は完全にメロディ優先で選びましたが、こんな感じのキャッチーなファンクで、爽やかさなエンティングで流れてくるとどんでん返しに気持ちよさそうだな〜と思いました。
4:浅田家!
下半期は特に仕事がクソほどの忙しさで本当に自担である二宮くんの映画も観に行けるかさえ危うかったのですが、もうここしかない…!というところを1日狙って急いで観てきました。そしてこの映画だけはevernoteにその日の感想残してあった、よくやった私…!なのでちょっと長く書きます!!ただ読み解けないところも結構あるのであんまり使えない…!!
今日「浅田家!」観てきました〜前々から注目して観ている中野監督の新作なので劇中色々思うことあったのですが、全部年末の映画まとめに残そうと思います〜基本的には好きな中野監督の作風に混ざった異色な二宮くん、という感じでした あと改めてですけど菅田くんはとにかくマジ化け物
— ぱる (@bi9ri) 2020年10月3日
まず前段なのですが、私中野監督の作品が好きでして、前々作・前作と映画館で観てきました。(その二作の感想も過去の映画まとめ記事に残してます)そして次回作となった今作、まさかの主演が二宮くんと聞いて、え…なんで…?となりました。その理由は、まず中野監督の作風に出てくるようなキャストに、二宮くんは全然イメージと違ったからです。今回追加のキャストが発表されてそれが確信に変わりました、二宮くん以外のキャストは、みんな中野監督の作品らしいイメージがありました。で私は思ったのですが、これは敢えてこういうキャスティングを組んでいるのではないかと。妻夫木くん・平田さん・風吹ジュン・黒木華ちゃんとみんなかなりこの監督の作品の中で正統派で、その中に一人異色な主演の二宮くん。この映画の物語も、一つの家族の中で、かなり異色な人生を歩む息子の二宮くん演じる政志が一人いるのです。この掛け合わせは考えられてるのではないかと思いました。
ただ受け取る側としては、明らかに普通ではない一人の写真家の人生なので、一歩引いて観てしまう(自分には到底置き換えられない)ようなストーリーが繰り広げられるので、なかなか気持ちの置き方が難しかったかも。だからこそ冒頭とラストに、「事実に基づく〜」という表現や、政志の年齢を都度入れることは大事なんだろうなぁと思いました。でも岩手で追ってた家族の消息のわかり方や、お父さんの倒れ方、いろいろできすぎが多すぎ…?いやいやそんな簡単に…感もところどころちょっと否めない。特に最後の家族写真の撮影手法含めたオチは分かりやすく、分かっちゃうとその後が長くくどくて、映画館で一人、うーん…!!(眉間にシワ寄せながら天を仰ぐ)となってました…(笑)
震災による被災地・実家のコントラストは映像的にもよく効いていて、とてもよかったです。あといろんな家族の家族写真の撮影する物語なので、ある意味短編集的でポンポン進んでいくので観やすかったと思います。
あと基本俳優陣は申し分ないのですが、もう特に菅田くんがバケモノすぎて今回もまたビビりました。もうとにかく菅田節がすごすぎてやばい。菅田くんって、演技の中で目立つように演じるのだけではなく、今回のような自分を消す、引き算の演技もできてしまうから本当怖い、やばい。改めてこの人は天才だなぁとしみじみ思いました。今回のような演技を見ることができてよかったです。
菅田くんはなんていうか憑依型のように色んな役を纏うから化け物とかそういうことでもなくて、引き算もできてさらにそれでも印象に必ず残すことができるところが化け物なんだよな……本当にヤバい 私「あゝ、荒野」の菅田くんを観てるので今回の演技見てよりやべえってなりました
— ぱる (@bi9ri) 2020年10月3日
そして中野監督はただ日本顔カップルみたいだけじゃ?という配役の二宮和也・黒木華コンビでしたね!(笑)
あとここからは自分的に思っている中野監督作品の特徴から紐解くのですが、中野監督の作品って、作品の中ですごく映画的なものの魅せ方をすると思っていて、私の中でそれが、①繰り返すモチーフ(キーワード) ②食卓(食事) なのではと推測しております。毎度監督の作品で予想をしているのですが、今回も。
まず①のモチーフやキーワードですが、
・青
・10秒
・時計(冒険家、娘 腕時計)
・釣り、海?、堤防(=壊す、よせて返す・繰り返し、考える、立ち止まる)
↑これが私のevernoteのメモに今作のモチーフ/キーワードはこれでは?と箇条書きしていましたが、あんまり今はどんなとこでそれを感じたか思い出せないのでそのまま記しときます(笑)青ってなんだ何で感じたんだ…?(笑)
そして②の食卓(食事)ですが、中野監督の作品は必ずといっていいほど食事シーンが大事に撮られてるので、今回もいろいろ挙げてました。
・カレー、甘口辛口
・たこ焼き、焼きそば、ステーキ→実家 家族(三重)
・スルメ焼き、七輪→出版社(東京)
・カレー甘口、鍋しゃぶしゃぶ→同棲(東京)
・ちらし寿司、ケーキ→震災後の実家、兄夫婦(三重)
・岩手ではほとんど食事が描かれない
↑evernoteでの箇条書きはこうなっておりました。今回は家族の話でもあったので、特に食事/食卓のシーンが多かったな〜という印象なのですが、震災の被災地にいる岩手ではほとんどその食事シーンが描かれていなかったかと思います。これだけ日常的に入っていた食事シーンがなくなり、当たり前が当たり前でなくなる感覚というのも研ぎ澄ましているのかなぁと思いました。
evernoteの箇条書き感想みながら書いたので雑多に挙げましたが以上でーーす!!(笑)とにかくなんとか映画館で観ることができてよかった…中野監督の作品、また考察していきたいので次回作も楽しみにしております。
二宮くんに今後演技のお仕事があるとしたら、これからはもっと肩の力抜いた演技仕事があればいいなーと思います。まぁこれは私が二宮くんの演技仕事をいつもそんなに望んでる派ではないからこそ思うのかもだけれど…?(笑)なんだろう、私はそれこそリズムくんの作品とかがいいなぁ。
★CRCK/LCKS:「ひかるまち」
私的にこの映画はこれぐらいのテンション感でいてほしい…!という願望の曲です。CRCK/LCKS、おしゃれですごく好きなんです…。「明日旅にでかけようぜ」というサビの歌詞、"まち"や"場所""居心地"について歌う様もわりと作品と合っているんじゃないかなぁと思います。エンドロールにも合いそう。本編のエンディング曲も好きでした!
以上、雑多な2020年に観た映画感想まとめでした。
本当に昨年は4本という不甲斐ない結果に…。2020年観たい映画いっぱいあったんです、映画.comでチェックマークつけていた作品をそのほかにあげると、
「リチャード・ジュエル」「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」「mid90s ミッドナインティーズ」「喜劇 愛妻物語」「TENET」「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」「映像研には手を出すな!」「朝が来る」「罪の声」「さくら」「100日間のシンプルライフ」「新解釈・三國志」「私をくいとめて」
と、13本ありました…ここからまた予告編を観てから観たい作品も増えたでしょうに…。リチャード・ジュエルとかコロナ来る前だったのでさっさと観てしまえばよかった…。
そしてTOHOの鑑賞ポイントとマイルを失いたくがないため、映画館で観たのが4本だけ(しかもそのうちTOHOで観たの1本くらい)なのに昨年もTOHOシネマイレージカードは更新しました。
私は映画館という場所と環境が好きです。会食なんかするよりもよっぽど空気の入れ替えもされていて安全な場所ではないかとも思いますし、コロナによりこのまま映画館離れが進んでしまうのではなく、どうかまた落ち着いて作品に没頭できる時間と場所を無くしてほしくないなぁと切に願っております。私もこのクソ忙しい仕事ちゃんと落ち着かせてゆっくり映画館で優雅に1日に2本観るくらいの日を今年こそは作りたいです。
頑張れ映画館…!