※この物語はフィクションです。
「はい、今日の練習はここまでー、明日は3ページ目から。」
「「「ありがとうございましたー」」」
「ぱる子、今日この部分ミスしてた?」
「あっやっぱ気づいた?ごめんミスしちゃって…」
「ううん、明日全体で合わせる前にちょっと確認しよ!」
「うん…ありがとう」
私の名前はぱる子、高校2年の17才。私立PAL高校の吹奏楽部で、放課後は冬のコンサートに向けて絶賛猛練習中。…なんだけど、高校生活2年目も終わりそうなのに、勉強も部活も、なんだか充実しない日々を過ごしていて…高校二年生ってもっとパッとしたような生活を過ごせるものだと思ってた。
「ぱる子、明日ここからね」
「あっぱる美先輩…はい、明日頑張ります…!」
「今日のミスは大丈夫よ、人は人自分は自分、比べた時点で負けてるのよ」
「…ありがとうございます…!」
憧れのぱる美先輩は高校3年生のこの吹奏楽部の部長。みんなの憧れで、フルートもうまくて超名門PA-RU大学への進学も決まっていて、こんな私にも誰に対しても分け隔てなく接してくれて、いつも素敵な言葉をくれるんだ。人は人、自分は自分…比べた時点で負け…かぁ…!いい言葉だなぁ。
「ぱる美先輩〜、またかましてますねっ!!」
「ちょっとぱる男!何言ってんのよ!」
「ふふ、また明日よろしくね、お疲れ様」
このやっかいな男は同じ部活で同じトランペットパートのぱる男。ちょっかい出してくる小学校からの幼馴染でお調子者。昔はぱる男も私と同じような雰囲気だったのに、いつからかこんな調子で毎日ずっと楽しそうにしていて、私は心の底では少し羨ましく思ってるんだ。家も近いからいつも部活の帰りはどうしても同じ帰路になるのがまたやっかいなんだけど(ぷんすこ)。
(土手を歩いて帰るぱる子とぱる男)
「ねえぱる男はさぁ、いつからそんな感じになったっけ?」
「は?どういうこと?」
「なんか毎日なんも考えてなさそうでさぁ、ぱる美先輩にもあんな感じだし、でもパート内でもやっぱりペットうまいし、昔は私みたいだったのに、なんか正直羨ましくてなぁ」
「それ褒められてるのか複雑だわ」「まぁでも俺は中学の時から変わったかなー。で、去年また頑張ろう!ってなった。なんでか、わかる?」
「は?わかんないよ」
(立ち止まるぱる男)
「嵐。嵐が俺の活力。」「ぱる子も始めれば?」
「……え?」「嵐ってあの…、ジャニーズの?関係ないじゃん、しかも嵐ってだってあと数ヶ月で休止って…」
「おいおい何言ってんだよー、やっぱ全然わかってねーじゃん!(ため息)、教えてやるって、これからの嵐の魅力。」
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