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2017年も映画と主題歌を考えた 下半期編

 

2017年の映画と主題歌まとめ、下半期編です。なかなか感想がまとめきらず、年末も年末になってしまいました。ただ自分の中では年内に終わらせたい思いがあったので、投稿します。

 

bi9rii.hatenablog.com

上半期は8本観ましたが、下半期は嵐軍団の映画が立て続けに公開されたことや、オンライン会員によって新作映画を観ないといけないこともあり、より活発に動いた気がします。

 

以下、個人的映画感想まとめ。

 

 

 

9:メアリと魔女の花

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 ジブリ作品の血を継いで米林監督が新たに設立したスタジオポノックの記念すべき第一作目。この大きな発表で公開前からかなり注目され、そしてかなり賛否両論あったみたいですね!(笑)私としては、かなり分かりやすくなったジブリ絵柄の正しい子供映画かなぁという感想を持ちました。私の中でストーリーに対する「ジブリ(宮崎駿)らしさ」っていうのは、「結局なんだかよくわからない・答えがない」ところにあるんじゃないかと思っていて、そのなんだかわからない空白を埋めるように自分たちで解釈を進めていくものかなと捉えてるんですが、メアリに関してのストーリーはもう潔いくらい分かりやすく正解が用意されている。子供が観やすい作品で、すごく正しいんだろうなと思いました。賛否が分かれてるのはこの違いかな?

ジブリ」をわざわざ名乗ったりジブリ作品のオマージュを感じるキャラクターや場面が何度もあったのは、力を借りてるとかではなくて、「第一作目の遊び心」だと私は思いました。この作品、この会社の第一作目なんだから!これからにめっちゃ期待できるじゃん!ってワクワクしてます。本当にその血を継いだような手描き味が溢れる絵柄に、とても感動しました。めちゃ美しくて、そうそう私が見たかったのはこういう絵柄なんです!っていうのを思い出した。NHKジブリ時代の米林さんのドキュメントを何回か観たことあるんですけど、そこでも駿からすごい褒められてたんですよね、絵の上手さ。そこの信頼感さすがでした!

ただ絵がジブリな分、話の展開とか盛り上げ方がもう少しひねられたらよかった…!だんだん観てると同じことを繰り返してるようにみえてきて、話から学べることが子供映画っぽいような当たり前のことで、特に響くこともなくうーん…となった。あと結局メアリ自身は何も変わってないんじゃ?とも思った。不思議な力を持ったことで、ありのままの自分をもっと受け入れようと改心したというだけ…?

またこのストーリー自体をジブリ・ポノックに置き換えるとまた面白いのかなと思ったので、やっぱり処女作として正しかったと思います。神木くんの安定感が怖い!次回作がめっちゃ楽しみ〜〜 

YUKI:「Home Sweet Home」  

Home Sweet Home

Home Sweet Home

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私主題歌でセカオワという選択肢がちょっと違うんじゃ…!と思っていて(いい曲だけど!)。そう考えた時にYUKIパイセンのこの曲がふわ〜〜っと浮かんできました。「家へ帰ろう」という出だしがもう、メアリがピーターを連れて魔法学校を抜け出そうとする様子がみえてきます。あと曲をAメロで締める感じがまた好き…ポノックの作品がここから続いていくっていう感じもする。

 
家へ帰ろう 明日になれば
大丈夫って笑っているかな
名前を呼んで 呼んで 抱きしめるよ
思い出して 目を閉じて 幼い頃
  

 

 

10:忍びの国

私の鑑賞スタイルから原作は未読で臨みましたが、非常に良い意味で大野智PV映画でした。めちゃめちゃ楽しみやすい大衆映画だった…すごい。どんな歴史モノでもまず最初のその時代で起きている状況や立場の説明って重要だと思うんですけど、全くストレスのない構成に脱帽。深みを残して柱にあるストーリーを分かりやすくしつつ観客をちゃんと巻き込めるのすごすぎ。私アホだから本だったら理解できないかも。

ただちょっとそこまで言わなくても…!情緒あったよ…!とやりすぎを感じるシーンも少しありました。ラストの方の「人間じゃない」というセリフ、あーーそこまで言わなくても伏線ひかれてたのわかるのに!とか、ワイヤーアクションのやりすぎ(現実離れしすぎ)感もちょっと否めなかったかもしれないです、無門がすごいのは十分わかったからさ…!(笑)あーっと目を瞑るような惜しいシーンが何度かあって、でもこれ以上を求めるのは贅沢すぎかな?物理的に無理のあるシーンはいくつもあったんですが、そういう世界だと全部飲み込むことではちゃめちゃに楽しめる映画だった!鈴木亮平との決闘で流れてるBGMがめっちゃ青春ってかんじのBGMで笑ってしまった

配役もとてつもなく絶妙でした。皆んなハマりすぎ。智くんの魅せるシーンさすがだなぁと思いました、気の抜けてるところは大抵普段の大野さんだからわからない!(笑)あと知念くん演じる殿の家元に生まれてしまった才能のない自分を怨むシーンはとても泣けました、知念くんこういうヤラレ役うまいなぁもっとみたい。決闘を経て無門の中でなにかが変わったシーン、完全に無門成長青春物語で、メアリと同じ成長物語でもこういう角度が観たかったのかもな〜と思ってしまいました。(同じ日に観たので…)でも2年後とかにするなら、最後無門のあの後ろ姿でそのまま終わってもよかったのかなとも…。ラストカットで画が引いていく中で「つなぐ」のイントロ1音目、ジャ〜〜〜〜ン♪が流れて鳥肌たった。カッコよすぎ。いい感じに締まりすぎ。超映画でした。本当舞台化が見える。

ASIAN KUNG-FU GENRTATION「君という花」

君という花

君という花

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ラストカットでながれた「つなぐ」のイントロ一音目が超気持ちよかったので、この曲もあの場面で流れたらめっちゃ気持ち良いな〜カッコいいな〜と思うものを選びました。音の雰囲気がつなぐにも似てないかな?こういう余裕のあるカッコよさがあの映画に似合うなと思いました。

 

 

 

11:銀魂

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一人だったら絶対に観に行ってなかったと断言できる銀魂実写(ジャンプ漫画実写系)。観たいと言っていた原作未読の友人と、評判が意外とよかったので観に行きました。ちなみに私は銀魂は兄貴がジャンプを買っていた時期に借りて読んでました。単行本もブックオフとかで地道に集めてたくらいには好き。ただ銀さんの過去とかの◯◯編とか決闘というような真面目な話になるとそういうの銀魂にはあんまり求めてないな〜ってなるようなライトすぎるライトファンでした。なので今回ちょうどそういうところを突かれた気がする…(笑)

思っていた500倍は大真面目でびっくりした。全然真面目じゃん!って(笑)ゴリゴリにふざけてると思ったら普通に映画やってたので拍子抜けしました。元になる話がまた私の苦手だった紅桜編(◯◯編系)を掘ったモノだったので、見事に撃沈した感じ。実写としては成功例に入るんじゃないですかね…?どう?シュールギャグの第一線にいる福田雄一監督だったからこその仕上がりでした。ギャグシーンも、銀魂原作のボケとはほぼ別物で「福田雄一のギャグ」として観れるから成立してました。その証として、佐藤二朗さんのシーンが一番笑いが起きてました。

OP、登場人物紹介の後は真面目な話が地続きで、自分の想像と違ってちょっとぐったりしました。ストーリー自体も深い話でもないので感情移入も微妙にしづらい(笑)なので最初の一作目は無難にギャグを見せたり、登場人物の個性をちゃんと見せる作風でもよかったんじゃ…?とも思ってしまいました。続きがありそうな空気がビンビンですし(実際にやるらしいし)、二作目で真面目な話の回収していく感じ。それかショートストーリーを2時間で何個も詰め込むとか?私が今思いつく銀魂の真面目な話で好きだったのは、ラジオ体操の神楽・猫になっちゃう銀さん・寺子屋の先生とかでした。

配役とかは多分適役が多かったんじゃないですかね…吉沢亮が沖田すぎてビビった。一番文句言われそうなところなのに原作ファンを黙らせる適役具合。殺陣のシーンもそれぞれの役者さんの見せ所がちゃんと作ってあって、文句を言わせない感じ。あとちょっとでてきた突然のアルピー酒井さんめっちゃ笑った。福田監督好きなのかな(笑)

dustbox:「Jupiter 

Jupiter

Jupiter

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急なdustbox。実際の主題歌がUVERworldでほお〜〜と思ったのでその線ならdustboxもいけんじゃね!と思いました。私が数年前まで洋楽だと思っていたdustbox、どの曲もメロディーの展開の仕方がドラマチックでとっつきやすい(日本人だからか…?)。そういうところが、こういった漫画実写の作品にもハマりやすいのではと思いました。

 

 

12:幼な子われらに生まれ

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予告を観て絶対私が好きな雰囲気だと感じ取り、期待しかしていませんでした。公開当日に観に行ったんですが、その予感的中。最高に自分好みの映画でした。久々に映画館でボロボロ泣いてしまう作品に出会った気がする。重松清原作で、かなり複雑な家庭環境が絡み合う話で、そんなこと現実にありえるのかわからないけど、全く俯瞰してみることができずに泣いてしまう。ただ泣かせにかかってるようなものではなくて、自然に溢れ出るような気持ちのいい涙でした。それは多分語りが一切なく、その場で起きているリアルの事象や登場人物の表情だけで物語が進んでいくからかなと思った。

ゆっくりゆっくり流れていく時間の中で、気持ちを少しずつ整理しながら登場人物たちの前に踏み出した一歩を見守っているような感じ。もう登場人物が適役すぎてすごかった。浅野忠信の父親として見せる顔の分け方。田中麗奈の少し空気が読めない妻感。寺島しのぶのできる元妻感。クドカンの子供を分かり合えないだらしない雰囲気。子役も含めて全てが気持ちよかったです。寺島しのぶが元夫の浅野忠信に放つ「いつもそうだった、理由ばかり聞いて気持ちのことは聞いてくれない」というセリフ、最初は(えっいやいや理由の中に気持ちが入ってるんじゃないの?)とか思ってたんですけど、このセリフがずっとキーワードになってきます。

画面のザラザラ粗い映像が綺麗でした。音楽もいいところで邪魔しないし、主題歌がないのもよかったなぁ。映像の取り方が独特で、帰りがだんだん遅くなってくるのをアパートのエレベーターで表したり、タバコを吸うのを妊娠してる妻の前ではやめてみたり、長女が初めて生理を迎えるシーンだったり。多くを語らずにこちらに委ねて魅せる画がたくさんあって、余白が美しかったです。ただ小6であんなに反抗期なるもんかな?とちょっと思った。私があまり反抗期とかなかったモンだからわかりません(笑)母親には「生まれたときから反抗期だった」と言われてましたが。

「親愛なる、傷だらけのひとたちへ。」というコピーがまた響く…。心の動きを丁寧にみせながら優しい終末へ向かう良い2時間でした。気持ちよかった〜本当にもっと大きな規模で上映してほしかった!もっと知ってもらいたい!モントリオール映画祭で特別賞も受賞したそうで、おめでとうございます。

sebuhiroko:「BABY BABY」

BABY BABY

BABY BABY

  • sébuhiroko
  • ロック
  • ¥250
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銀杏ではなく、トリビュートの方。このピアノ一本のメロディーラインが心地いい。そして女性の声がいいなと思ってました。もっとテンポ遅くてもいいくらい!この曲で浅野さん演じる主人公がどう生きていくのか、父親として誰をちゃんと永遠に愛せるのか、愛さないといけないのか。そんな葛藤までみえてくるのです。

 
永遠に生きられるだろうか
永遠に君のために
 
BABY BABY 
君を抱きしめていたい
何もかもが輝いて 手を振って
BABY BABY
抱きしめてくれ
かけがえのない愛しいひとよ
 

 

 

13:打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?

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今年の賛否両論作の一つ。観る気が全くなかったんですが、私が脱落した「君の名は。」のプロデューサー川村元気が同じアプローチで今年も話題作を打ち出してきたので、今度はどんな仕上がりになったかが気になって(あと本当に賛否がすごかったので)観に行きました。しかもこちらは原作ドラマがあって、岩井俊二監督の一話完結ドラマ作。それを脚本大根仁に変更し、新たにアニメ映画として作られました。実写原作をアニメーションに戻すっていう逆映像化も珍しいですよね。原作を観ないようにして映画に臨むスタイルの私も、さすがにここまで元がしっかりしてるので(あと岩井俊二の作品が好き)、原作ドラマを観て予習してから映画を観ました。

そしたら、ストーリーが原作と全く違った。その割に中途半端に原作のセリフや大元の設定を含んでくるからモヤモヤがすごかった(笑)なんか原作のよかったところを全部改変されたせいで、新しい物語をみせられてるのか、それとも地続きのものをみせられているのかわからなくて混乱しました…。だったらもう潔く全く別の話にしちゃえばよかったのになとか思ったりもした。完全にファンタジー映画になってました。時間を操ることができる「柄杓玉」という新しい設定がその要素をより引き出してしまった気も。原作関係なく観てたらどうだったかなぁということを考える。

この映画の中では、告白をしようとした時に時間が止まる→告白ができない→(音楽)みたいな流れがあって、でも告白がすべてじゃないんじゃないか…?と思ってしまった。お互いに気がありそうなところはなんとなくもうわかってたし。でも原作はそうじゃなくて、ヒロインに気があったのかどうかは分からないんですよね。ほとんど主人公の目線でしか回っていなくてその余韻が良い味出してたのになぁとそのストーリーの違いにショックを受けました。年齢も昔の小学生が現在の中学生に変更されたことで、「駆け落ち」というだけで行動範囲の世界が大きく広がってしまい、できることが多すぎてしまうところが良くなかった気がする。16才なんてすぐじゃないすか…。あと打ち上げ花火が下からか横からか、どうでもよくなっちゃってる感じがした!(笑)

今回で本当に原作はあんまり観ちゃダメだなとまた学びました。やっぱり絶対ショック受ける…(笑)でも岩井俊二のドラマ原作版、とってもよかったので今回映画版だけ観てイマイチ…と思った方も観て欲しいです。50分くらいだよ!

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GReeeeN:「愛唄」 

愛唄

愛唄

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原作の音楽を担当しているRemediosがめちゃよかったんですが、この映画版だったらこういうガッツリとした直球の「青春」感のある歌が合うかなと思いました。映画主題歌の「打上花火」も曲単体としてものすごく仕上がりまくってて良い曲だった!でもこの作品じゃないかな!(笑)全然関係ないけど愛唄のPVいつみても面白い…本当なんでずっとあの透明な壁にぶつかって叫んでるんだろう…まわりこんだらすぐ会えるのに…ってずっと思ってる…。

 

 

14:三度目の殺人

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日本アカデミー賞も受賞した「海街diary」後の是枝監督作品・主演福山雅治ということで大々的な宣伝がされていましたが、大衆向けな作風には全く感じず、かなりぐったりしました…(笑)是枝作品に共通している繊細な人間臭さにサスペンスを加えるとこんんなに重たくて面倒臭くなるのか…とぐったり超疲れた。入り込めないと眠いと思うので油断して観たら大変。真相に近づいたり離れたりを繰り返し、進展しない割にメッセージ性も強い。上映時間をもっと短くしてもらえたらいい集中力が保てたかなぁと思いました。

「裁きを決める人は誰が決めるのか」「裁いているのか、救っているのかわからない」という言葉が印象に残っています。どのセリフもきっと無駄ではなくて、いくつも含みを持たせるセリフが飛び交いすぎるのもぐったりした理由ですかね…(笑)「からっぽのうつわ」「十字架」だったり意味のあるモチーフもたくさん。是枝さんは今作を撮影しながら何度も台本を書き換えたそうで、そんな迷いがモヤモヤに繋がったのかも。演技を観てから接見室のシーンをたくさん増やしたそうで、本当に接見室シーンが多い。福山雅治役所広司の顔が接見室の反射で重なるシーンはちょっとやりすぎにもみえたけど、冬の寒そうな空気感や裁判所の差し込む光に映し出される埃だったり、映像の細やかな撮り方を感じました。

是枝監督がインタビューで「役者の声を想像しながら脚本を書いている」と語っていたのですが、それが本当に分かる。是枝さんの作品って声が印象的な人がたくさんでてますよね。役所さんの気味悪さがすごい。さすが。そして広瀬すずの凡庸性。なにもはっきりと解決したわけじゃない見せ方なので、モヤモヤが残りやすいんですかね。今作でミステリー映画に初挑戦だったそうですが、やっぱり私は是枝監督には子供がたくさんでてる映画撮っていて欲しいし、「海よりもまだ深く」みたいな作品がもっと観たい…(笑)

Cocco:「ポロメリア 

ポロメリア

ポロメリア

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この勝手な映画主題歌企画、Coccoの登場率が異様に高い(笑)ちょうどいいんですよね。本作では主題歌がなかったんですが、つけるとしたらこういうテンションのもので。広瀬すずちゃん演じる少女の目線で歌われているイメージです。

 

 

15:ナラタージュ

嵐軍団2017映画第二弾。雨の中観に行ってきたんですが、それがまた映画にちょうどよかった。ずっと曇天。そんな作品でした。この作品に出てくる登場人物、なんだかみんなボロボロに傷ついていた気がする。そうやって愛を求めた結果の代償を一生背負っていくような、苦しくなる作品でした。この映画では、なんで好きになったのか、どんなところが好きなのかを一切描かれてなかった気がする。答えや理屈を求めちゃいけない、新たな恋愛を知りました。ジュンくんも言っていましたが、本当にほぼ目線はずっと有村ちゃん演じる主人公なので、先生の気持ちは分かりづらい。その小説的な余白を委ねられてる気がした。手紙の中身が明らかにならないところもよかった。

足元を映すシーンが多くて、撮り方が丁寧で綺麗でした。ヨーロッパのオシャレ映画みたいでさすが。海岸を歩くとパキパキと鳴る枝の音・主人公の前髪をかきあげる癖だとか、本当に丁寧。あと周りの男性が魅了されるのも分かる気がする有村ちゃん演じる主人公、なんか斉藤由貴みたいな独特な空気を纏っている。だから人を狂わせるんですかね。いろんなシーンを家に持ち帰ってたくさん咀嚼したいなと思いました。最後の終わり方も綺麗でした。でも途中はほぼ登場しなかった懐中時計にもっと意味があればいいなとも思った。「喪失」「再生」「懐中」を全て表していたのかな?スポットがほぼ主人公と先生にしか当たらないから没入して感情移入がしやすいのかなとも思った。私は理解できなかったけど!(笑)

坂口くんと有村ちゃんの飲み屋シーン、会話に対してワンテンポ遅れて返事がくるところがリアルでした。「付き合ってる人いないの?」「初めて質問された」「部活はなにやってたの?」「いないよ。付き合ってる人はいない」←ここがドキッとしてめっちゃ好き。 あと最後の葉山先生、ちょっとストーカーばりに怖くて笑ってしまった…さっきまで寝てたのに!(笑)

柔らかくて引き寄せられるような、松本潤の眼光40%もよくわかりました。こうやって人の精力って抜けていくのかなってくらいすごかったです。坂口くんもナイスガッツ!すごく上質な映画だったなぁと思いました、こういう美しい作品に関われたジュンくんとっても羨ましい。

yonige:「沙希」 

沙希

沙希

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主題歌「ナラタージュ」がすこぶるエンドロールに合っていたので、同じテンション感で合うものないかな〜と探したところ、最近気に入って鬼リピしてるこちらの曲を選びました。ゆったりした心地よい空気が漂っていて、どこか寂しさのある雰囲気。この曲自体は又吉さんの小説「劇場」に出てくる女性を元に書かれたそうです。 

 
だれも知らない さるのダンス踊ろう
消えてしまう前に笑ってみせてよ
だれも知らない さるのダンス踊ろう
忘れてしまう前に 離れてしまう前に
 
きっと今度はぼくから会いに行こう
どうせ忘れないからずっと想っておこう
ふたりの思い出は全部しまっておこう
ずっと変わらないでね きみのままでいて
 

 

  

16:あゝ、荒野 前後編

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U-NEXTで配信されたオンライン試写で前後編(全6話分)を鑑賞しました。なので感想はまとめて。あの…めちゃすごい映画を観てしまったなと思いました…。こんなに熱量の高いアッチイ作品観るの久しぶりで、ボロボロに泣かされた。「新宿」を生き物にしたような映画で、雑踏の中で生きる汚い人間たちがこんなに美しく輝かせる、ボクシングという一つの武器が超泣ける…。「あゝ、荒野」は蜷川さん演出・ジュンくん主演で舞台化もされていましたが、この映画の役者陣が神がかりすぎてヤバい。もうヤバいとか語彙力失った言葉しかでてこない(笑)菅田くんのオラオラ感が苦手なんですけど、もう本当に演技が上手い。むかつくくらい上手い…ずるい。今年出演した作品もたくさんありましたが、この作品にかなりの熱量注いでくれてるのが画面越しに十二分に伝わってきてめちゃめちゃカッコよかったです。いい演技しすぎ…。相方の吃音のアニキ役のヤン・イクチュンさんもめっちゃよかった。主演の二人がとにかくすごすぎ。脇役ももちろん最高でした。

前後編それぞれ2時間半近くあり、オンライン版ではカットされた部分も入っていたので、計6時間くらいの超大作でした。その分、ここはいらなかったんじゃ…?みたいなシーンも結構でてくる。結局自殺志願の団体が薄っぺらいまま終わったのでよくわからなかったり。もう少しタイトにもできたはずですが、この長時間観切ったときの爽快感・喪失感ったらない。

あとオンラインでは1話ごとにエンドロールが流れたんですが、それがまた最高に泣ける。BRAHMANの主題歌と一緒に流れてくる写真がまた良い…。あーまた観たい。最初は無料で試写で観れる!ラッキー!程度にしか思ってなかったのに、いざ作品を観たらちゃんとお金払って大画面で観たい…と思うようになりました。今度は映画館で観たい。

銀杏BOYZ:「東京」

東京

東京

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 あのエンドロールに合うような曲を模索したところ、この曲を選びました。まさに「東京」という雑多を優しく包み込む楽曲。二人がボクシングを通して、新宿で不器用に生きようとする姿がみえてくる。どちらかというとアニキ目線で語られてる歌詞。 

 
僕が歌うことは全部君が僕に教えてくれたものさ
ふたりを通り過ぎたなんでもない毎日が 僕にとってはそれこそが歌になるのさ
 
ふたりの夢は空に消えてゆく
ふたりの夢は東京の空に消えてゆく
君はいつも僕の記憶の中で笑っているよ
 

 

 

17:ラストレシピ〜麒麟の舌の記憶〜

嵐軍団2017映画第三弾。今年は本当に嵐の人たちの作品が一気に公開されましたね。そんな中最後の刺客。私がこの作品を鑑賞し終わって感じた印象は、なぜか「THE・秋元康…!!でした。なんでしょう、後半にかけての強引ともいえる盛り上げ方とかどんでん返し感、なるほどめちゃめちゃ秋元康企画だ…と思ってしまいました。「繋がり」「伝統」「血縁」とか最近の映画的流行をちゃんと全部取り込んでる感じが。ストーリーとしてはドラマチックすぎる最後のネタバレが全てな感じがしたので、例のように原作を読まずに臨んでよかったと思いました。むしろこのどんでん返し勝負だと思うので、これが成功するか失敗するかでだいぶ作品の印象変わるだろうなぁと思いました。ストーリーテラーかと思いきや「天皇に披露した日本帝国最後のレシピを完全再現させる」という依頼によって、この不器用な主人公がどれだけ成長できるか?というとんだ主人公成長物語でした。

盛り込みがすごくて最初の展開が早すぎて母親のシーンにあまり感情移入できなかった…。あと外国人が話す日本語でだいぶ状況が話されるのが聞き取りづらい(笑)音程・抑揚がないから余計に説明っぽい描写になって、ちょっと理解しづらかったです。あと園長の死に際はさすがにギャグかと思いました!(笑)なぜレシピを燃やす必要があったのかがあまりわからない。「このレシピが人を不幸にする」のはなぜ?レシピはむしろ各々を成長させてくれたものなんじゃ…?とかぐるぐる考えながら観てました。あと火事から取り出したレシピが一片も燃えずにピカピカだったのも、ん??と。脚本の粗探しなんて始めたらほとんどの作品キリないですが…。レシピ作りって誰が作っても同じ物ができるレールをひく作業だから、普通の料理人にもよりもよっぽどすごいことしてるんだろうなぁとか思いました。

なんとなく壮大な話かと思っていたら、最後の落とし所が割と身内ノリな話になったので、ちょっと拍子抜けしちゃいました。主人公が料理を完全再現できる「麒麟の舌」を持っていることはもうなんか途中からどうでもよくなってるような…?(笑)時代・料理を繋いでいるのに歴史や料理の話にはあまりアクセスせず、家族・愛に持っていかれたので、余計はっきりとはしない曖昧さが残るのかなと思いました。なんか役者陣の演技に申し分がないから、その分ストーリーの粗に目がいってしまうみたい。それでも二宮くんの泣きシーンにはいつもグッときてしまうので、私の中で一生消えないフィルターがかかってるんだなと再確認してしまいました。西畑くんもめちゃよかったです!

CHEMISTRY:「最期の川」

最期の川

最期の川

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歌詞がとにかくいい。今はここにいない人を想うような内容。主人公の充が今この場にいない、大切だった誰かを浮かべながらひとりぼっちで最後に「なにも悔いはない 生まれてよかった 心からありがとう」という歌詞で締めるところが映像として想像つく。エンドロールにもぴったりじゃないかと思いました。

 

 

18:ベイビー・ドライバー

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映画館へは観に行けてないんですが、U-NEXTを無料会員期間で二ヶ月退会できず、お金という名のポイントが溜まりまくってしまい、新作映画を5本くらい年末までに観なきゃいけなくなってしまったので、評判がよくて気になっていたこちらの作品をオンライン鑑賞しました。そしたらめっちゃ楽しかった。ハチャメチャでオシャレでカッコよくって、音楽とカーアクションが融合するとこんなにオシャレなのか!と。私洋画って普段ほとんど観ないんですが、これは耐性がついてなくても全然観れた。ある意味ミュージカルだから!強盗犯の逃がし屋天才ドライバー・通称ベイビー。音楽を聴くことで彼の天才性が発揮されるんですが、その音楽に合わせたカーチェイス・銃撃シーンが本当にオシャレで気持ちいい。また、ボタンを押す音やドアを閉める音など、些細な生活音さえも効果的な音楽になってるのが、天才かよって思った。でも過度にMV的ではなくて、ちゃんとストーリーにのめり込めるからちょうどいい。

一瞬逃がし屋からピザの宅配ドライバーになったのを、「人々に幸せを運ぶ定職」と呼んでいたのがまたシャレてんな〜と思った。それでもベイビーは足が洗えない、心優しいドライバーだったんですが。伏線の回収もちゃんとしてるし、きっちり盛り上げて最高な状態でハッピーエンドに持ってかれたので、観てて本当に気持ちがよかったです。たまにはこういう洋画見るのもいいなー!って心から思いました。楽しかった〜

この音のハメ方にどこか既視感があったので、調べてみたらこの作品の音楽担当さんがどうやら「スーサイド・スクワット」と同じ人だったらしく、私本編は観てないんですがあの秀逸な予告編も、音楽と銃撃音を合わせた素晴らしい出来だったなと思い出して、なるほど!となりました。

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冒頭のカーチェイスが公開されてるので、是非観てください。続編観たい〜〜

Superfly:「Alright!!」

Alright!!

Alright!!

  • Superfly
  • ロック
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ノリ。とにかくノリ。洋画主題歌を邦楽で考えるの本当難しいんですけど、一番自分の中でピタッときたのがSuperflyの声でした。その中でもよりノリ勝負っぽい曲!

 

 

19:夜空はいつでも最高密度の青色だ

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U-NEXT会員ポイント第二弾。春頃公開されていて、単館系だったので観に行けなかったもの。最果タヒさんの詩集を石井裕也監督・脚本で映画化されたもの。観終わった感想は、ちょっとクセが強くって私にはよくわからなかった…。渋谷・新宿の都会の片隅で孤独を抱える男女の恋愛物語なのは間違いないんですが、すべてにおいてまわりくどすぎてちょっとイライラした(笑)詩集を物語にするとこんなに面倒なのか…。冒頭はずっと心の語りがあって、無機質で感情がなさそうな素っ気ないテンション。なので本当にサーっと横切ってしまって何を言ってるのか咀嚼できない。あと「都会」を嫌いすぎじゃないですか…?都会って夢を消されがちだけど、いうほど悪くないよってことをもっと教えたい。「あゝ、荒野」と同じ土地が舞台でありながら、監督や作品によって描き方が違って面白いな〜と思いました。

「死ぬ」ということに関してもこの話の題材の一つになってると思うんですけど、結局主人公の女の子は何が言いたかったのか、あまりよくわからなかった…都会を貶すだけ貶して、人生すべてを投げ出してるのか、それともただのかまってちゃんなのか…、不器用にもほどがある!(笑)片目が見えない池松くん演じる男の子の、「嫌なことは俺が全部半分にしてやる」というセリフの考えてきたな〜〜!感がすごい。池松くんの演技が前々から苦手なところがあったんですが、このキャラクターは池松くんの中でも珍しい役柄だったんじゃないですかね…。私が想像してた何倍も変わったキャラでした。

一番好きだったのは、仕事仲間が亡くなった後田中哲司さん演じる素朴おじさんの「俺たちは生きてる、恋もしてる、ざまあみやがれ」という池松くんを励ますようなシーンでした。脇役も豪華だし、アンドレスよかった。ただお話がまわりくどくて疲れちゃいました。詩集を生かしたセリフや語りがちょっと説教臭くも感じる。

サカナクション:「ボイル」

ボイル

ボイル

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都会的なサウンドに、希望がみえる気がして選びました。主人公たちは都会に嫌気がさしていましたが、そんな都会の片隅生きていく「希望」も忘れないでほしい意も込めて。あと言葉の重要性を作品の中で感じたので、そんな言葉も意識されてる曲で。エンドロールの都会の映像とも合う気がする。

 

  

20:ムーンライト

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アカデミー賞作品賞!『ムーンライト』日本版オリジナル予告

U-NEXT会員ポイント第三弾。春頃観に行けなかったものも、ポイントという名のお金で観ることができました。真夜中のド深夜に観てたんですが、それくらいのテンションで観るのがちょうどよかったです。こ〜う、なんというかズシーーンとくる、重たい「孤独感」がずっとつきまとう映画でした。映画館で観てたらかなり沈んでたかも…レイトショーならなんとか耐えられたかな…。

一人の男の子の幼少期・少年期・青年期が描かれているんですが、何か解決したわけでもなく急に時間が次の基軸に飛ぶ。その間に主人公や周りの環境がどんな日々を過ごしたのか、自分たちの頭の中で余白を埋めていく作業が自然と必要になる作品で、多分、私たちが目撃していない時間も、ずっとそこには消えない孤独があったんだろうなと想像する。終始静かな映画で、派手なシーンは一つもなく、細かい会話や表情からその寂しさをジワジワと感じ取るような2時間でした。アカデミー賞の作品賞が「ラ・ラ・ランド」と間違われた本作ですが、まさにこの2作でアメリカの光と影を見てるようでした。どちらも体験できてよかった。

「黒人の子が海辺で歩いて月の光に照らされると、青く見える」そんなセリフが劇中にでてくるのですが、幼少・少年・青年でそれぞれ海辺のシーンがでてきて、まさに意図的に青くみえて印象に残りました。映像が儚くも美しい。いじめられずっと居場所のなかった主人公の幼少期での麻薬の売人との出会いは、彼の今後の人生に、それが良くも悪くも多大な影響を与えることになり、大きな経験値に繋がったんじゃないかと思いました。話も段々と主人公が成長するにつれ必ず向き合わなければならない問題を一番に考えるようになってくる。幼少期の売人との出会いから、主人公がどうやって生きたのかを見守ってるようでした。

だらしない母親との幼少・少年期の思い出を経た青年期の対峙シーンもとても泣けた…悲しいけどそれでも血の繋がった家族だったんですよね…。あと少年期に唯一愛していた友人のケヴィンから受ける暴力も泣ける…俳優の演技が切ない…。3人も俳優が交代して演じているのに、どの時代も主人公シャロンがなんの違和感もなく受け入れられるのすごい。ふとした表情の作り方が一緒なんですかね〜〜すごくよかった〜〜でも話が救いようなくずっと切ね〜〜〜もう観れね〜〜

平井堅「RIng」

Ring

Ring

  • 平井 堅
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

切ね〜〜〜映画には切ね〜〜曲を。切ね〜〜ながらもエンドロールで優しく包み込んでくれそうな曲を選びました。この歌詞みて思ったけど、シャロンはずっと永遠に満たされることのない孤独の影がつきまとっているんだろうなぁとか思ってまた寂しくなりました。

 
永遠に満たされぬ 孤独の影に怯えながら
いつか来る輝きを 求め人は歩き続ける
一度だけでもいい… 喜びに声を上げ泣いてみたい
 
心の傷跡も 忘れられぬ過去も
その肩に積もる冷たさも ゆっくり溶けて流れゆく
 

 

 

【観たかったなぁ〜な映画】

番外編として観に行きたかったけど行けなかった作品。まだ劇場公開していたりU-NEXTで観れそうなものは、是非観たい。

・「堕ちる」

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・「美しい星」

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・「新感染」

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・「散歩する侵略者

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・「おじいちゃん、死んじゃったって。

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・「gifted」

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ということで、今年は上半期8本下半期12本計20本の2017年公開映画を鑑賞しました。

昨年は邦画が豊作で嬉しい〜という話をしましたが、今年は私にしては洋画も結構観たかも…!そしてこの作品どうなんだろう?という興味本位で観た守備範囲外の映画も今年はたくさんあったので、新たな発見とか出会いが楽しかったです。年間通して観た中では、「幼な子われらに生まれ」「あゝ、荒野が自分的には2017年ベストかなと思った作品でした。来年も映画ライフを楽しみたいです。

 

読者の方も、ここにたまたま辿り着いてしまった方も、拙い散文を読んでくださり2017年もありがとうございました。ブログもツイッターも、自分のペースで頭よく使いこないしていきたいです。

来年も宜しくお願い致します。