愛がたどりつく場所

完全なるぱる!フラットににのみやくん!

2023年も映画と主題歌を考えた 下半期

お疲れ様です。ぱるです。2023年終わりますね、早い!!

ギリギリで下半期の映画備忘録をまとめました。

今年もお疲れ様です!!

 

 

1. 君たちはどう生きるか


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プロモーションの段階からかなり賛否両論のあった本作。公開近日になって話題になり始めましたが、公式情報自体は半年以上前からあったので、ここまで情報ださないものかとは思いつつも、映画好きは正直なんとも思ってなかったんじゃないかな?と思います。私はせっかくなので公開当日に観に行きました。(絶賛有休消化中でした)観るまで突拍子もないことしてるのかなと緊張したけど、始まってみたら普通にジブリの映画だったので安心しました。

肝心の内容ですが、私は結構かなりよかったな!と思います。そう思う理由としては、あっこれジブリだ…!!宮崎駿ジブリだ…!!今私は映画館でジブリを観ているんだ…!というのを存分に感じる仕上がりだったからです。私のジブリの基準にあるのは、まず絵柄の繊細さと、ストーリーやキャラクター構成の意味のわからなさにあります。褒めてます。絵については冒頭、主人公が人力車に乗るシーンで、荷物・片足を乗せると人力車がキシキシと音をたてながら揺れ、乗り終わった後にまた荷物がゆらっとして人力車もちょっとだけ揺れるところ、ここの全然重要じゃないシーンを見ただけで、私の中ではOh…This is ジブリとときめいていました。その後も何回も繊細な人間や動物の動き方、背景の描き込み…と、あーやっぱり私が一番好きなアニメーションはジブリの描写なんだよなぁと改めて実感しました。

またストーリーについてはさまざま考察されていますが(※これ以降ネタバレ注意)、私も大体同じようにこれまでの過去作やルーツを入れたジブリそのものを表した作品なんだろなと思いました。考察で一つあった、あの積み木のシーン。積み木の個数がなんとジブリがこれまで映画で作り上げていた作品の本数と一緒だったそうで。それを壊してしまい、どんどん崩れていく城。主人公は神を継ぐことを拒み、自分の好きな新しい世界を作り上げていくような結末。全てが崩れて崩壊することで、自由が生まれる。キャラクターの誰が誰を表していて、と容易に当てはまる仕組みになっていると思いました。色々意味深になっていますが、とにもかくにもそれを表すストーリー設定が意味わかんねー!どうやったらその発想でてくんの!?と思うところばかりなところがザ・ジブリ。なに?あのサギとおじちゃん!?なに?あの世界観の違う海や山や城の仕組み!?駿にしかわからないストーリー描写…最高じゃん。「時は巡って行くものだから、悲しいことではない」、と教えられたような、時の扉の描き方がよかった気がする。

ここまで褒めまくりましたが、ただ公開初日になんの情報も入れずに観に行ったので、ずっっと(誰この声優…?えっなんか絶対聞いたことある声なんだけど、えっ誰…??)と思うキャラクターがいっぱいいすぎて、あんまり集中できなかったです。声優だけでも情報でてるとよかったなーと思いました。菅田くんは、あー!!なるほど!と納得した。ただキムタクだけはまず一言目喋っただけで、はいっキムタク確定!とわかりました。安心。橋本環奈ちゃんだと思ってたのにあいみょんだったな…一本とられすぎた…。おじいちゃんの遺言のようにも見える今作でしたが、懲りずに好きな作品を好きな時に作ってもらいたいです。

くるり:「愛の太陽  

米津玄師パイセンが書き下ろしありましたが、もう少し柔らかい雰囲気で光を与えるのはくるりのこういう曲だなと思いました。

そこはかとない 心の隙間 太陽が射してくるだろう

何も見えない 何も感じない そんなことは未だないくせに

立ち上がれ涙ぐむ街 途を造れ ah 何処までも

途は続く ただそれだけで 歩いて行ける 愛の太陽

愛の太陽

愛の太陽

 

 

2. アナログ


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二宮くんの映画がやっと公開されました。今回は恋愛映画ということで、発表が出た時から「!!???」と驚きました。今!??という驚きが大きかったかもしれません。またビートたけし!!??という驚きも多かった。デザイナーの主人公と携帯電話を持っていない不思議な女性とのラブストーリー。

お話として、小説を断片的にまとめた感じでかなりストーリーは観やすく2時間でまとまっていたな!と思いました。私はこういう類のお話の映画作品は基本選んで観に行かないので、二宮くんのおかげで映画館で久々に観ることができてすごく新鮮だった!あと二宮くんが恋愛ものを純粋に演じているところがまたすごく新鮮だった!という意味で他の作品に紛れずかなり収穫があったんじゃないかなと思います。

ただ納得のいかない部分もいっぱいありました…まず喫茶店でしか会わないというルールがやっぱりこの現代にはめ込むのめっちゃむずいな…と思いました。全然伝言もなにも残さない会い方(そんな会い方わざわざ選んでんだからそんなショック受けんなよ!)、糸電話、…とか、なかなか現代にはむずい。彼女の素性、そこで初めて知る…?全然なにも知らないのによくそこまで好きになった…?相手をわざと知らないようにしすぎて、主人公の彼女に対する熱意に温度差を感じてしまったかもしれません。知りたいと思うことってだめなのか?本当に二人は好き同士だったのかな?と思うような。肝心の携帯を持たない理由、そこまで大した理由じゃなくてただのフリだった…?そしてどんでん返し(大とまではいかない)、病気でもなく事故で落とし込んでしまうのがより唐突で(事故ひとつでなんでもありにできちゃう)、それ以降のお話がより共感しづらくなっていたかもしれません。

関西支社で数ヶ月だけお世話になったなにわ男子の藤原くん演じる後輩社員が、主人公の母親が亡くなったことを聞いてその日に夜新幹線で家にやってくるところめちゃ怖くて笑ってしまいました。

一番最初に彼女をデートに誘おうとするシーン、男の人はああやってすごく緊張してるんだろうなというのが伝わってきて、ギュンとなりました。アドリブを使っているシーンが多いせいもあるけど、終始本人がちらついて、ずっと"主人公の皮を被った二宮くん"が出てる感覚でした…アドリブに頼りすぎないで!あとジャンプカットと暗転多いの気になったよ!今やってくれんなら、あと6〜7年若い時にもっとこういう恋愛映画見たかったよ!?ねえ二宮くん!!と思いました。

あと別のところで監督の行動に色々言われておりますよね。秀太、それ今じゃないんだよなぁ。

幾田りら:「With  

主題歌で流れると思っていたのに、流れなくてええっ!!?と思いました。まさかのインスパイアソング…!?なんやその立ち位置…!?流してや…!

With

With

  • 幾田りら
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

 

3. 月


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実際に起きた障がい者殺傷事件をモチーフにした辺見庸の同名小説を映画化。石井裕也監督ですが、こういったシリアス作品がびっくりしたのとこういうストーリーに興味があったので観に行きました。あと磯村くんというのが気になった。

あの事件がオマージュにされているのですが、本当に終始暗〜〜〜〜〜い映画でズーーーンと底に落ちていくような作品。なのでこれ気持ちが落ちている時に観るとかなり危ないと思う…(笑)劣悪な環境の施設に入れられた障害者、明るく見えながらそれぞれ闇を抱える職員、本当の施設の姿を目の当たりにしてしまう主人公。ここの暗い絵面だけでもつらいのに、もうどんどんこちらの心を刺してくる…(笑)磯村くんはかなり実際の犯人に寄せた身なりにされていて、ゾワっとしました。こちらはあーこの人がやってしまうんだよな…と思いながら見ているので、よりその時がくるのが恐ろしかったです。犯行も実際に起きた事件を忠実に再現しているそう。

私はこういう社会問題をどうしていくのか、どういうところが問題なのかをもっと示してくれているのかと思っていたので、そこを終始曖昧にされていたところがちょっと物足りなかったです。上半期に見た同じような題材の「ロストケア」のほうではその辺の問題点をちゃんとセリフとして言語化してくれていたので結構腹落ちしながら観ることができたと思う。ふわ〜っと嫌な空気だけ漂うように逃げるように終わってしまったかなと…。

bi9rii.hatenablog.com

ただ一つ光となったのは、オダギリジョー演じる恋人。彼のことが最初から最後まで唯一の光として描かれていて、オダジョーが出てくるとほっとした…。彼との出来事が光として描かれ、その一方で最悪の影が同時進行で進んでいくラストの仕上がり方が、エーンとなってしまった。劇中「人は見たくないものは見えない」という話もあり、この映画正直全然テレビでプロモーション活動されてないので、そういう触れづらいことは見せないところが正に体現しているよなぁとメタ的に思いました。

該当なし

全然思いつかん…。

 

 

4. PERFECT DAYS


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東京・渋谷を舞台にトイレの清掃員の男が送る日々の小さな揺らぎを描いたドラマ。カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、役所広司が主演男優賞を受賞した作品。今年なかなか映画下半期観れてなかったのですが、いやっこれは観なきゃ…!と思って頑張って年末足を運びました。

こちらの作品、平山という主人公の毎日の繰り返しをただ見届けるだけなのです。映画.comにあるあらすじ紹介。

東京・渋谷でトイレの清掃員として働く平山。淡々とした同じ毎日を繰り返しているようにみえるが、彼にとって日々は常に新鮮な小さな喜びに満ちている。昔から聴き続けている音楽と、休日のたびに買う古本の文庫を読むことが楽しみであり、人生は風に揺れる木のようでもあった。そして木が好きな平山は、いつも小さなフィルムカメラを持ち歩き、自身を重ねるかのように木々の写真を撮っていた。

本当にこの通りの毎日を見守る私たち。そしてその毎日に少し違う出来事が起きたりするのをただ見守り続ける。一見退屈に見えるかもしれないのですが、しかも全然セリフがないのですが、これがなぜか不思議と引き込まれるようにずーーっと見続けられてしまう。これが役所広司という俳優の凄さなのかもしれません。同じ毎日を淡々と繰り返していくのに、その中の小さな心の機微が溢れる表情が繊細に描かれている。こんな小さなことに、この平山さんは幸せを感じたりしているだな…と思って、数日繰り返した時に車の中でかけたカセットテープからの「The Dock of the Bay」に、なぜかツーーっと気づいたら涙がこぼれていました(まだ全然序盤)。あれ?私ここで泣いちゃうの?本当に…?と思いながら視界がぼやけていった。ポスターのコピーにあるように、まさに「こんなふうに生きていけたなら」と思うような、清々しい作品でした。

平山さんは同じ毎日のルーティンを繰り返すことに幸せを感じていて、それがたまに小さな出来事で違った雰囲気にはなるんだけど、それでもその平山さんのルーティンにのっとった延長線上なだけで、変わらずに日々が送られていくんですね。だけど、後輩が突然辞めるとわかり、仕事量が増えてなかなか帰れなかったりと自分のルーティンが崩されるとすごく嫌な気持ちになってる。だけど最後に起きるスナックのママの出来事では、自分のルーティンは崩されたんだけど、それでも乱されても人に寄り添い受け入れることができたのかなぁと考えさせられました。影は重なると濃くなるのかな…変わらないなんてこと、そんなことあってはいけないよね…。映画の最後の最後に紹介された"木漏れ日"という言葉。もっとじっくり噛み砕いてみたい。

あと音楽がいちいち良かった。音楽流れるたびに、本当に泣きそうになってしまった。こういう清々しい作品を年の瀬に見ることができてよかったです。心に余裕がある時に観るとすーっと浄化されてオススメです!平山さん、絶対赤信号で横断歩道渡らない人だな…と思いました。

オーティス・レディング:「The Dock of the Bay  

劇中ふいに泣いてしまった時に流れていた曲。平山さんが幸せそうに車を運転している時に、なんか急にじわ〜〜ときてしまったんですよね…。

 

 

というわけで上半期は10本、下半期は4本、2023年は合計14本でした。下半期やばい!!観たい映画も少なかったのですが、それにしても全然行けてなかったな!!

下半期は転職をしたり自分の生活がかなりガラッと変わったこともあったのですが、その中でも映画を観ることを息抜きにこれからも通っていきたいと思います。(環境の変化についてはひとつ前の記事で語りすぎた)が、2000円は高いてえ…。前の会社では経費で一定金額まで落とせたのですが、もう無理になってしまった…。

いや、諦めない。来年も映画ライフ楽しみます!!!良いお年を!!!