愛がたどりつく場所

完全なるぱる!フラットににのみやくん!

2024年は映画だけを考えた 上半期

ぱるです。

上半期の映画をまとめましたが、下半期はすでにまだ全然観にいけておらず、下半期にまとめる映画少なそうでちょっと残念…。

観ようかなーと思っていたものがことごとくあまり評価が良くないこともあり、値段も上がってきているからこそ失敗したくない思いが強くなかなか観に行けていません…。

 

映画を観た上で合いそうな主題歌も一緒にあげていたけど、音楽考える前にとりあえず映画の感想を備忘録的にまとめておきたいため、2024年は映画だけとりあえず感想まとめていこうと思いました。

 

1. 笑いのカイブツ

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「伝説のハガキ職人」として知られるツチヤタカユキの同名私小説を原作に、笑いにとり憑かれた男の純粋で激烈な半生を描いた人間ドラマ。年始に時間があったので、お笑いの本気話として気になっていたこちらの作品を公開初日に観に行ってきました。

不器用で人間関係も不得意なツチヤタカユキは、テレビの大喜利番組にネタを投稿することを生きがいにしていた。毎日気が狂うほどにネタを考え続けて6年が経った頃、ついに実力を認められてお笑い劇場の作家見習いになるが、笑いを追求するあまり非常識な行動をとるツチヤは周囲に理解されず淘汰されてしまう。失望する彼を救ったのは、ある芸人のラジオ番組だった。番組にネタを投稿する「ハガキ職人」として注目を集めるようになったツチヤは、憧れの芸人から声を掛けられ上京することになるが……。

芸人、お笑いを題材にした熱い映画が見たいなーと思って期待して観に行ったんですが、これは…思ってた熱さじゃない…と、驚きました。なんていうか…あっちい絆とかそういうのじゃなくて、地上に出る前のマンホールの底で自分勝手にもがく人間になれない生き物…。そこに光があるはずなのに自分でうまく掴めない、いつだって下を向いた沼底を見させられて、どうしても人間になれない、まさに怪物の話なんだと思いました。もう、全然笑う隙間がない。主人公のツチヤは超人であり変人すぎる性格なのでずっと行動が理解できないし、ずっともがいてるので終始しんどい。こんなにしんどい映画だと思わなかったので、めちゃくちゃ疲れました…笑

実話をテーマにしているので、救いようのなさがまさにリアル。落とし所もモヤっとしたまま終わるところも超リアル。あれ?このまま更生できるんじゃ?と思わせといて結局うまくいかない。うまく生きられない怪物…。生きづらいだろうなぁとしんどかったです。そして終盤の漫才シーン、あのネタは令和ロマンが監修したネタだそうですごく面白かった。会社にいるオードリー好きの先輩が、やっぱりツチヤさんはすぐやめちゃったけどすごかったらしい、若林がとっても可愛がっていたと。こういう作品に若さを感じて、観てよかった。

そしてとにかく役者陣の演技が素晴らしかった。まず岡山天音くんは日アカ主演ノミネート確定じゃないかな。こんな役がここまでリアルに演じられるの、引いちゃうくらいすごかった。そして最近見る機会がなかった菅田くんの演技を久々に見て、うーん何度見てもやっぱり上手くて悔しい…ポッと出の役なのに…。どんなに小さな役だとしても光ってみえるのでホンモノなんだと思います。

 

 

2. 哀れなるものたち

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アカデミー賞でも話題になったこちら。アカデミー賞で話題になってしまう前に観てきました。理解が難しいという意見や表現についても耳にしていたので、少し身構えながら。

不幸な若い女性ベラは自ら命を絶つが、風変わりな天才外科医ゴッドウィン・バクスターによって自らの胎児の脳を移植され、奇跡的に蘇生する。「世界を自分の目で見たい」という強い欲望にかられた彼女は、放蕩者の弁護士ダンカンに誘われて大陸横断の旅に出る。大人の体を持ちながら新生児の目線で世界を見つめるベラは時代の偏見から解放され、平等や自由を知り、驚くべき成長を遂げていく。

すごい世界観。とにかく意味わからない世界観。なんだけど主人公のベラが人間を学びながら成長して倫理観が育つ感じが丁寧に描かれていてとってもゾクゾクしました。こうやって人間は考えや意見を持って発して、時に誰かの言葉を聞いて、考えて行動して成長していくのか…と。私は強い女性像を描いているわけではなく、純粋に人間の成長がたまたま女性を通していただけかなとも思いました。ベラの純粋さが色んな考えをすぐに吸収していく様がすごかった。美術や衣装はそりゃ獲るだろうだろうな!と思うくらい完璧な世界観で綺麗でした。

ベラを外に連れ出したダンカン。愛すべき悪者に描かれているけど、私は本当はいい奴だったのかもなと思いました。ダンカンがいなければベラはあそこまで成長することができなかったわけだし、全ての学びの根源なんて刺激多すぎて大変だろうに、ベラのその一歩目をなんだかんだ見放さず一緒にいてくれてたんだよな…とジーンともした。

あと同時にグロと性表現もめちゃくちゃ多い。そのため人にめちゃくちゃいいよ!と進んでオススメはしづらいけど、私はブラックユーモアだと思っていたのでなんこれ!アホや!と思いながら面白がって見れたので、そのテンションで見ることをお勧めします。それにしてもラストのラストのオチはめっちゃくちゃ笑いました。劇場でもそれまで静かに見ていた客席が一気にそこで笑いが起きた。あのオチだけでももう一回見たい。一人で見たい映画としてめちゃくちゃ楽しかったです。

 

 

3. 夜明けのすべて

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去年とても響いた「ケイコ」の三宅監督の次作とのことでブックマークをしていたので観てきました。

PMSのせいで月に1度イライラを抑えられなくなる藤沢さんは、会社の同僚・山添くんのある行動がきっかけで怒りを爆発させてしまう。転職してきたばかりなのにやる気がなさそうに見える山添くんだったが、そんな彼もまた、パニック障害を抱え生きがいも気力も失っていた。職場の人たちの理解に支えられながら過ごす中で、藤沢さんと山添くんの間には、恋人でも友達でもない同志のような特別な感情が芽生えはじめる。やがて2人は、自分の症状は改善されなくても相手を助けることはできるのではないかと考えるようになる。

ものすごく優しくて柔らかい空気が終始流れていた映画だった。予告の段階から展開の少ない映画なんだろうなとは思っていて、こういう静かでゆっくりな作品って眠くなるかなーと心配していたんですが、全然目が離せないどころかこのまま終わってほしくないくらい日々の移り変わりの描き方が丁寧で素敵だった。登場人物とその空気全てがさっぱりしていて淡々と日々が進んでいくのに、じんわりと保湿されてる感じが不思議。演出なのか、演技のせいなのか…どっちもなのかも?

そして山添さんも藤沢さんももちろんお互いの病気のことあるけど、その持ち前の性格じゃないと乗り越えられない壁が沢山あったので、強いなぁ普通じゃできないよなと感じてました。私も寄り添っていくしかない系の持病があるので、ちょっと冒頭の検診の時がキツかった。でも私も日々に楽しみや可笑しみを見出し続けて生きようと思える優しくて温かい映画だった。映画館で集中して見れてよかったです。こういう作品が邦画として映画館で映えるんだと思う。

あと「女性と男性の恋愛ではない特別な関係性」ではあるんだけど、それを強く押し出した作品ではないところもすごくよかった。私はそれを正面からアピールされた作品はちょっと嫌悪感があるのですが、この作品はもっと自然でそれが当たり前の世界で語られてるのがとても良いなそうあるべきだよなと感じました。

三宅さんは本当に良い画を撮りますね…光の表現がとっても美しい。エンドロールの後ろのなんてことない映像も丁寧で綺麗でした。

 

 

4. 落下の解剖学

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こちらもアカデミー賞で話題になっていた作品。脚本がノミネートされていたのが気になったので観てきました。

人里離れた雪山の山荘で、視覚障がいをもつ11歳の少年が血を流して倒れていた父親を発見し、悲鳴を聞いた母親が救助を要請するが、父親はすでに息絶えていた。当初は転落死と思われたが、その死には不審な点も多く、前日に夫婦ゲンカをしていたことなどから、妻であるベストセラー作家のサンドラに夫殺しの疑いがかけられていく。息子に対して必死に自らの無罪を主張するサンドラだったが、事件の真相が明らかになっていくなかで、仲むつまじいと思われていた家族像とは裏腹の、夫婦のあいだに隠された秘密や嘘が露わになっていく。

これは、全くミステリーではなかった。心理戦です。事件による裁判の言い回しでどう相手を負かすか?という地味で白熱する心理戦にドキドキしました。長時間の裁判シーンが沢山あり、まさに傍聴席にいるような感覚でこれどう決着つくの…?と最後まで見逃せなかった。限られた物的証拠でどうやって裁判を繰り広げるのか、どう話をリードさせるのか?という検察側と弁護側の殴り合いという感じ。めちゃくちゃアッチい!青く燃える炎。激アツ。

とにかくワンちゃんが可愛い!ていうか演技うますぎ!アニマル俳優賞あげてくれ!!アカデミー賞に出席してたのも可愛すぎた。偉いねえすごいねえ🥹

裁判なので確実な結末はあるところも最後までちゃんと見切れた要因だと思います。ただ入り込めないとこの150分は退屈に感じてしまうかも。なので映画館で集中して見れてよかった。

 

 

5. ミッシング

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私の好きな吉田監督の最新作、ずっと楽しみにしていたので今回も早めに観てきました。

沙織里の娘・美羽が突然いなくなった。懸命な捜索も虚しく3カ月が過ぎ、沙織里は世間の関心が薄れていくことに焦りを感じていた。夫の豊とは事件に対する温度差からケンカが絶えず、唯一取材を続けてくれる地元テレビ局の記者・砂田を頼る日々。そんな中、沙織里が娘の失踪時にアイドルのライブに行っていたことが知られ、ネット上で育児放棄だと誹謗中傷の標的になってしまう。世間の好奇の目にさらされ続けたことで沙織里の言動は次第に過剰になり、いつしかメディアが求める“悲劇の母”を演じるように。一方、砂田は視聴率獲得を狙う局上層部の意向により、沙織里や彼女の弟・圭吾に対する世間の関心を煽るような取材を命じられてしまう。

つら〜!ずっと暗くてつら〜〜!!吉田監督の作品でいうと「空白」と似たテンション。空白もきっつかったな…。でもやっぱり吉田監督の描く人間のいやらしさが大好きなので、今回も全面に出ていて吉田節をガンガン浴びてる気分になりました。テイストの似てる「空白」より集中力続いたのは、ずっと娘の事件が不透明なままだったから見続けられたのかも。ただ最後のほうはさすがにちょっとだれたかな…笑 吉田監督って人間らしさみたいなところを描くのがリアルで本当に上手いなー!と再確認しました。

この難しい話、ずっと「救われそうで救われない」を繰り返されるんですね。その感情の揺さぶられ方がきっつい。そしてリアル。ずっと転がされてる気分になります。青木崇高演じる旦那も日々娘の影を追い壊れていく妻のストッパーとして機能しなきゃいけなくてすごく辛そうでした。でも旦那の言うこと何一つ間違ってないんだよな…。娘が行方不明になった母親の気持ちの置き所が私には理解しにくかったです。そんな状況になったことないから当たり前かもしれないけど、旦那のようにもう少し落ち着いて考えられないものなのかな…?

青木崇高中村倫也も適役すぎました。森優作さんもすこぶる難しい役所だったろうに…。ただ石原さとみさんはやっぱりドラマ畑の人っていうか、ヒステリック具合の演技が盛り盛りで観てる側は結構疲れたかも。一部分で爆発するのはいいけど、それをこの2時間引っ張られるとこちらの気も落ちて作品に集中できなくなるというか。もう少し安心して見れるといいなぁと思いました。

 

 

6. ルックバック

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漫画の原作は読了、映画公開も楽しみにしていたのですが公開近辺は混むだろうからもう少し落ち着いてから観に行こうと思っていたら、入場特典に漫画原作のネームが丸々一冊分もらえると知り、ちょうど予定まで時間があったタイミングで観に行きました。こういう時にサクッと見れる分数(1時間)ありがたい!!

学生新聞で4コマ漫画を連載し、クラスメイトからも称賛されている小学4年生の藤野。そんなある日、先生から、同学年の不登校の生徒・京本の描いた4コマ漫画を新聞に載せたいと告げられる。自分の才能に自信を抱く藤野と、引きこもりで学校にも来られない京本。正反対な2人の少女は、漫画へのひたむきな思いでつながっていく。しかし、ある時、すべてを打ち砕く出来事が起こる。

まさに漫画がそのまま映像として動き出したかのような作品でした。ストーリーの改編はほぼ無く(4コマ漫画の世界観などを少し細かく描いていたイメージ)、イラストタッチもそのまま。不自然なCGも特になかったです。主演二人の声もまさに!といったイメージ。なので原作が好きな人はきっとそのまま映画も違和感なく安心して観れるのではないかなと思いました。しかも映像になることで物語を読み進めるスピードを勝手にリードされるので、テンポ感も掴みやすく観れました。原作は独特のテンポ感があり(藤本タツキ節)大衆映画向けではないよなーと思っていたので、良いリードだと思います。

何かを生み出すことの嫉妬や羨望、その喜びや悲しみが繊細に描かれていて、ものづくりをする者はこの作品中で1シーン以上は共感できるんじゃないかなと。私はまさに小学生の頃絵を描くのが好きでキャンパスノート1冊で漫画雑誌なるものを毎月発行していたのですが、同じクラスの親友がとても絵が上手く、あっ私はこの人には勝てないな…多分みんなそう思ってるな…と何かを諦めたこともあったので物語の最初の心情がすごく胸にきました。

あと家に帰る時の足が弾み出してダンスするシーン、この重要なカットをしっかりと魅せていて泣きそうになりました。終わる頃には泣いてる人沢山いた!この1時間という上映時間が変にひっぱらずさっぱりしててちょうどいいので、さくっとおすすめです。

 

 

ということで、上半期は6本。下半期はとても少なくなりそうな気がする。

今これから観ようか考えているのは、

・きみの色(京アニ山田尚子監督だけど今の所評価微妙で迷う…)

スオミの話をしよう(三谷作品は作品の当たり外れ激しいので迷う…)

・ぼくが生きてる、ふたつの世界(脚本港さん、監督呉さん)

ビートルジュース(原作観てないけど大丈夫かな)

・Cloud (菅田将暉の信頼感と黒沢清監督で気になる)

・若き見知らぬ若者たち(菅田将暉並の信頼感の磯村くん、だけど監督脚本が心配)

・まる(荻上監督、剛パイセン、一か八か感…)

・ロボット・ドリームズ(アカデミー賞ノミネート)

・ルート29(あみ子のこと監督、どうだろう)

・本心(池松くん、石井監督のまたシリアス系ハマるかな…)

・正体(横浜流星くんのまた体当たり系、藤井監督、どうだろう)

主に邦画の情報はよく入ってくるので、これから洋画のスケジュール感を見て増やしていきます。映画観たいな〜〜。

 

昨年転職してあっという間に一年が経ってしまいました。この転職をきっかけに自分の生活も色々変動がある年になっている気がします。

今年は日記をつけるようになりました。なんとなくこの一年は目まぐるしくなりそうだったので、めちゃくちゃ適当ですが、なんとか1ページも欠かすことなく続けられています。

 

日記に一言でも残すことで、毎日なんとなく過ごすのではなくちゃんと自分の感情を残しておかなきゃと改めて思いました。無関心が一番良くないというか、何かを思うことって大切だなと。ツイッター(X)もこのはてなブログもそうですよね。

それでもって、今年もなんとあと三ヶ月ちょっと!?やばすぎる。