愛がたどりつく場所

完全なるぱる!フラットににのみやくん!

2018年も映画と主題歌を考えた 上半期編

 

今年もこの季節がやってきた!ってことで上半期に観た映画とその主題歌を考えました。この上半期は本当に観たい作品がいっぱいで困ったー! 

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https://odaibako.net/detail/request/a20450ab721949e0b53375f20168b35a

ありがたいことにお題箱にこんなお題もいただけたので、ちゃんとまとめました。ありがとうございます嬉しいです!

 

 

  

 

過去に三回もやっててビビりました。私の鑑賞スタイルについては、過去の記事を見てください…!例のごとくネタバレも若干含んでる感想だと思うのでご注意を!

 

 

1:嘘を愛する女

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今年一番最初に観た映画は、長澤まさみ高橋一生主演のミステリー。なんですが、肝心のお話がとっても微妙でした…。なぜ高橋一生は自分の名前や身分を偽っていたのか、その一番気になってた落とし所も全部都合のいい感じでちょっとスッキリとしない。それだけが理由でそこまで隠さないといけないのか…?とか凡人は思ってしまいました。俳優陣の演技が良い分、もったいないというか?まさみは綺麗だしとにかく沢山頑張ってたし、高橋一生は何考えてるのかわからない話し方とかが適役でしたし、脇を固める吉田鋼太郎、DAIGOや川栄李奈の演技もとってもよかったです。でも吉田鋼太郎の探偵役?みたいなのがちょっとよくわからなかった(笑)変な群像劇が邪魔でたまに入るギャグに笑いきれないというか…?

最初の展開が早すぎてあまり感情移入できないまま謎解きパートがすごく長い。まずどれだけこの人(高橋一生)を想っていたのかがあまり伝わってこないから、そこで移入できないとそこまでして相手を探す理由があまりわからなかったのかもしれないです。感情こそ原動力というか。あと5年も付き合ってるわりには恋人のことなにも知らなすぎじゃないか…?(笑)

ラストの長回しでまさみがまた頑張っていた。でもちょっとそんなにガタガタさせていいの…?(笑)引き際の最後目を醒して涙流すシーンは、元の名前を読んであげて涙流すっていうのが綺麗な終わり方だった気がする…。また高橋一生は過去を抱えて生きていかなきゃならないのでは?と同じことを繰り返すのではないかと思ってしまいました。あと音楽が変なところで使われてるのがミスマッチで気になりました。そして最後の最後のエンドロールを観ていたら、制作プロダクションがいつもの私の苦手な会社でうわっやられた…!と思ってしまいました(笑)それにしてもおじいちゃんおばあちゃんで観にきてる方が多くて、高橋一生の大河効果なんですかね〜すごいなぁ

宇多田ヒカル:「FINAL DISTANCE  

FINAL DISTANCE

FINAL DISTANCE

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 宇多田ヒカルの切ない歌声と、この映画の悲壮感ある仕上がりが非常にマッチするんじゃないかと思いました。お互いの気持ちまで少し距離がある二人が歌詞の中で描かれていて、あーまさにこんな感じ!と思って選びました。

 
 
気になるのに聞けない
泳ぎつかれて君まで無口になる
 
会いたいのに見えない波に押されて
また少し遠くなる  
 

 

 

2:祈りの幕が下りる時

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作品の中で「人は嘘をつく」「嘘の中にある真実に人の心がうつされる」という言葉がでてくるのですが、もうまさにそういった作りの映画でした。連作にありがちな登場人物のエピソード・会話広げがほぼ皆無で、前作の「新参者」シリーズを観ていない私でも無駄なく今回の物語に集中できました。逆にどっぷり予習していくと沼に浸かりすぎて感情でしか物語を見れなくなりそうな気もする。鑑賞してみて思ったのは「原作勝ち」「映像撮りの上手さ」「役者の適役」とか、いろんなところの勝利でした。めちゃ観やすかったです。このスタッフ陣が本当にこの日本橋付近を心から愛してるのが伝わってくる画面作りがすごかったです。

序盤の小説のような説明描写、活字で物語や事件を説明しきる振り切れ具合がすごくて、その分後半にかけての阿部ちゃんの心の語りが鬱陶しくなかった。そして過去パートのむごさ、小日向さん松嶋菜々子がさすがの主役級の演技。松嶋菜々子に関しては父親にみせる泣き顔も子供時代の子役の仕草を真似てるようにもみえる…!「疲れた」という小日向さんのセリフが本当に重たくてズシンときました…。でてきた瞬間の明らかに面倒臭い感を醸し出せる音尾さんも最高だと思う。「親は子供がすべて」「子供が親に狂わされる」その両方を見ることができた気がする。

原作の小説ミステリーとしての出来栄えが良すぎて、映像にしてしまうと現実としてはありえないでしょ…みたいなところもまぁでてくるんですが、それはやっぱり"映画" "物語"だから、ドラマチックさを受け入れたいと素直に思える、映画としてとても完成されてる作品でした。いくつもの犯人との繋がり、偽名、焼死体、父親の最後の言葉…すべてが繋がって解決するのでスッキリとラストを迎えられます。事件が少しずつ見えてくるときの切ない、あ〜そっか〜〜感…。後編の盛り上げ方がえげつなくて上手い、すごく東野圭吾み溢れる作風でした。嘘をつく人にはその理由があるんですよね…。いやーすごくちゃんとした良いミステリー映画でした!

CHEMISTRY「最期の川」

最期の川

最期の川

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この曲たしか「母と暮せば」のときも選んだと思うんですが、そういう家族とかの繋がりを描いた作品のときにどうしてもチョイスしたくなる良い曲なんですよね…。あ〜この曲是非とも小日向さんから松嶋菜々子にむけた歌詞として聴きたい、絶対泣ける……。

 

 

3:羊の木

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どれだけ私ミステリー立て続けに観るんだ…っていう3作目。すごく丁寧に「誰かを受け入れる瞬間」「大きな心の中の線引きが見える瞬間」というのを描いているなと感じました。なんだか会話の中で噛み合わないとか、気持ち悪く感じる瞬間を第三者の視点で観察することができた。導入部分での登場人物の嫌な微妙なズレが物語を浮かび上がらせていて、後半に繋がっていくのが面白かったです。また最初の錦戸くんのセリフ「いい町ですよ、人は良いし、魚も美味いし」という謳い文句、受け取る相手によって6者6様の反応があって、それによってまた錦戸くん自身も相手への対応が変わってくるのがリアルでした。一番最初の会話で、「どこから来たんですか?」『新幹線で』「…いやだから…どこから?」間。「結構遠かったですよね」→ここでもう(答えてくれないから触れられたくないのかな、じゃあもうこの話はやめよう)と思うまでの錦戸くん心の機微がみえて人間観察好きとして面白かった。小さな町という設定もすごくよかった、人と人の距離が近いから噂ってすぐ広がるんですよね…。

「受け入れたいけど、でもやっぱり怖い」という矛盾があって、その変わった人たちに振り回され翻弄される"普通"を主演が引き出してる錦戸くんがすごくよかったです。そして関わりたくない人を演じさせると天下一品な松田龍平もさすが。刃物を持った元殺人犯にカミソリで髭を剃られるシーンもドキドキした〜。"引"と書いてあるドアを元殺人犯が思いっきり押して開けるシーンが何度かあってこれも演出なのかな〜。「それって友達として?市役所員として?」という言葉に対して、友達って言っておけばなんとかなると思ってる心と、本当に友達として受け入れたいと思いつつある心で揺れる瀬戸際の錦戸くんがよかった。今回は主に松田龍平とのストーリーでしたが、もっと他の受け入れた元殺人犯のストーリーを深く観てみたい欲が生まれました。でもそれは映画だと厳しいですよね…。連続ドラマとかで丁寧に観たい!

ただ最後の落とし所で、ああそうかこれは漫画原作か…と思わされるちょっと安易かなぁと個人的に感じる結末だったかもしれないです。でもどう終われば正解だったのかも自分でわからない…(笑)吉田大八監督の癖とかテーマ性がすごかったです。元殺人犯の何をしでかすかわからないところは、きっと私たちも普段感じる「他人」の象徴だろうし、その不安とどう向き合うのかを再び考えさせられました。気持ち悪くて楽しかったです。「羊の木」というタイトル、市川実和子が育てる植物にヒントがあったのかも。あとエンドロールも癖!(笑)

Suchmos:「A.G.I.T.」  

A.G.I.T.

A.G.I.T.

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クセのある映画には映画主題歌としてはクセのあるSuchmosのこのクセ曲で。これであのクセまみれのエンドロールが流れるのすごく想像がつく…。いや〜それにしても一筋縄じゃいかない普通にできない感すごかった〜(笑)

 

 

4:勝手にふるえてろ

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松岡茉優初主演作と聞いて驚くのと同時にこれはもう正しい初主演映画だ…と思いました。主人公のキャラクター像を作り上げる松岡茉優の上手さがすごい。会話の中の「え?」「は?」の間のとり方がとにかくリアルでこのヨシカがどんな人なのか一気にわかってくる。こじらせた女子という設定だけど、でも以外と実際の女子もこんな風に誰かを妬んだり怒ったり小さなこと一喜一憂してるはずで、よりリアルな今っぽい女性が出来上がっていて新しい主人公像だと思いました。綿矢りささんの原作では語りの小説で、それを自分が生活するまわりの人物に話しかけて消化する設定にしてるのがまた上手い映画的捉え方だな…!と感じました。こうやって誰かに話して消化できるだけで全然いいなぁ羨ましいなぁと思ってたらまさかのオチでビビりました(笑)

学生時代に恋するイチの絶妙なスクールカースト位置。小さなやりとりで共通の通じ合える話がでてくるけど、結果名前を覚えられていなかったり、現実はそう上手くはいかないという考えがまた桐島的アプローチでリアルでした。でも意外と主人公のヨシカも二に同じことしてたりっていうのが笑える。二の絶妙な自然の純朴さとウザ演技がすごくて黒猫チェルシー渡辺さんすごいと思った…!あとイチ役の北村匠海と同僚の石橋杏奈ちゃんの悪気のない美人など、松岡茉優無双かと思いきや脇役もすごく安定してる。主人公の「視野見」がめちゃわかる…!ってなりました。

ただ主人公の感情の浮き沈みの激しさから物語が何周もして行ったり来たりするのでなかなか進まなくて疲れて、段々とても長く感じてきました。後半の種明かしで突然のミュージカルはもうお腹いっぱいかも(笑)嫌なことがあるとすぐ「うすら寒い自己満足」と解釈しちゃうところも多くて疲れる。イチが名前を覚えてないあたりからクライマックス迎えたほうがスッキリ終われたかもしれないです。笑いどころも多かったので理解者の友達と観に行けてよかった、きっと観る人を選ぶ作品だと思うので!エンドロール前、赤い付箋が雨でじわじわ染まっていく演出がとても素敵でした。なんだか今の深夜ドラマ枠で30〜40分くらいでありそうだなと思った。でもこれを2時間強の映画でまとめてるからこそ価値があるのかな?もしこれが深夜ドラマだとしたらなんてことなく珍しくもなく通り過ぎてたかもしれない…。配信する、発信する場所ってやっぱりそのギャップ含め大事だなぁ。

yonige:「さよならプリズナー」  

さよならプリズナー

さよならプリズナー

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本当の主題歌の黒猫チェルシーもめっちゃよかったんだけど、あえて選ぶとしたら女性バンドにしようかなと思いました。またこのyonigeの今っぽい歌詞と、ヨシカの心境がちょっと重なるところあるな〜と思って選びました。このギターサウンドが流れてくると一気にエンドロール感も増す気がする。

 
なんにもないなんにもないなんにもないなんでもない日々です
なんにもないなんにもないなんにもないなんでもない部屋で
なんにもないなんにもないなんにもないなんでもない時間に
君がいただけだった
  

 

 

5:犬猿

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兄弟・姉妹の微妙な愛憎劇がすごく面白かったです。ムカつくけど、「でも家族」「兄弟なんだし」という言葉で片付けられ、血が繋がってる面倒臭さとありがたさを同時に感じられる作品でした。自分の持っていないものを持っている兄弟に嫉妬し、何かを壊してやりたいと思う妬みだったり、兄弟がいると身にしみますね…。一人っ子は兄弟や姉妹という存在を羨みがちだけど、その面倒臭さもリアルに描かれてるから知ってほしいです(笑)あと、弟妹同士の遊園地デートの会話では、肉親の悪口は言えるけど他人から言われるとなぜか腹が立つ理不尽さもリアルで最高でした。

「もういいから消えてくれよ」「変わらないんじゃないんだよ、変われないんだよ」という窪田くんの魂の叫び、全ての鬱憤を晴らすような理屈じゃない叫びがかなり響きました。刺された兄貴を助けたい・落ちていく姿を放っておけばいい・でもやっぱり家族、というような葛藤が見えてきてハラハラしました。兄は事業が成功したことで弟と違い一括で親の借金を返済してあげるし、親孝行としてマッサージチェアや海外旅行を計画するのに、座椅子のがいいと言われてあまりうまいように親から喜ばれないのもすごく分かるので辛かった(笑)(そのあと弟がマッサージチェア使ってる伏線がまた笑える)姉妹の方の妬みも超面白かったです…。

配役の兄弟姉妹の主演4人がもう完璧すぎるくらい上手くって最高でした…!ニッチェの江上さんがめちゃめちゃ上手くてびっくりしました、もっと色々演じてほしい!ただここまでリアルにやられると、救急車で運ばれるクライマックスのシーン、何度も交互に入れ替わったり子供時代の回想が間に挟まったりするのがとっても邪魔だった…(笑)ドラマチックにみせるところがわざとらしく感じてちょっとうざかったです。兄弟がいる身としてはあるあると思える会話ネタが沢山詰まっていて、決してそれが映画的な構成として全てがなにかの伏線で繋がってるわけではないけど、その一つ一つのリアルな会話劇にニヤニヤしてました。最初の予告編風OPがまた癖あって面白かった(笑)吉田恵輔監督もっとオリジナルやってほしい〜

10-FEETI:「ヒトリセカイ」  

ヒトリセカイ

ヒトリセカイ

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これまた主題歌のACIDMANがよかったのでめっちゃ悩んだんですけど、この10-FEETの熱と温かみある曲が最後にちょっと流れたらまた最後の最後で受け取り方変わるかなと思って選んでみました。ちょっとは優しい気持ちになれそう(笑)

 
 
嗚呼 寄り添うだけで優しさも言葉も
何もないままただ居てほしい そんな時あるでしょう
 
嗚呼 ひらがなみたいな愛や優しさを
まっすぐに見つめれない そんな日がありますか
  

 

 

6:スリー・ビルボード

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なにかが解決したわけじゃないのに、じんと暖かくなるのはこういうことだなぁ…と思ってしまう傑作でした。ジャンルの線引きが難しい、ミステリーでもあり、コメディーもありつつ人間ドラマがあり…とにかくその脚本の素晴らしさを賞賛したい!「怒りは怒りをもたらす」というテーマがありつつ、その負の連鎖で人は優しさに改心できるのか、赦すことができるのかという「人は変わることができるか」という最終的な結末に向かっている感じというか…誰が犯人でその犯人を捕まえることができるのか?とか、そういう簡単な問題ではないところがただのミステリーとは一線を画してるのかもしれません(同じようなテーマなのにそれが「三度目の殺人」では感じられなかった…)。うーん言葉で魅力を表しきれない!登場人物たちがスクリーンの映像の中で何度もその顔を変えていくことで、その人たちの成長を見守ってるようでした。"三枚の看板"が主なはじまりですがそこに固執してる物語でもないので、絶妙な構成だな…!と思いました。

署長にふりかかる最悪の悲劇が新しい人間の成長を巻き起こしてるんですが、ただあのタイミングであの悲劇はどうみても事件のせいにみえるし、なかなか最悪のタイミングだなぁと思いました、余計ややこしくさせたというか(笑)誰しもが傷ついてどんどん罪を犯して壊れていく様が、途中までため息ついてしまうほど辛くなってきます。ただ全く展開が読めないのでまんまと一喜一憂させられ続けました。側からみたらただの「迷惑おばさん」なんですが、そこから派生していく人間の成長がとっても面白かったです。最後の結末やセリフが本当に爽やかな未来を象徴するようで気持ちがよかった!特別大きなクライマックスというわけではないから、派手なものが好きな人は苦手かもしれないです…?

笑いどころも結構用意されていて、前夫の19歳の彼女、太った歯医者、コーンフレークのついた息子…とかおしゃれな言い回しやクスッと笑える箇所が多く、全然退屈しませんでした。段々と明らかになっていく説明が多すぎない事件の物語の持っていき方や、伏線が沢山引かれていたところも飽きなかった理由かもしれない…!あと入院していたレッドと同室になったディクソンのシーンでジュースを差し出しストローの向きを変えてくれる優しさと「きっと治る」という言葉に涙がでそうになった〜…。ディクソンも「変わりたい」と頑張ってたなぁ…。音楽のカントリーっぽい曲も絶妙でした。こりゃ主演女優賞も助演男優賞脚本賞もとるわけさ…。ゆっくりと胸に迫ってきて噛み締めたくなる映画でした。素晴らしい洋画!

土岐麻子:「Black Savanna」  

Black Savanna

Black Savanna

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この土岐さんの歌声と歌詞の重なりに落ち着く。ゆっくり映画のストーリーを整理しながらエンドロールを眺められそうな時間になりそうだと思いました。始まりと終わりのメロディーとか音の空気のピンと張り詰めたところがまた映画の作品にも通ずる緊張感があると思いました。

 

 

7:シェイプ・オブ・ウォーター 

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この春話題の洋画二作目。これはもう、完全に現代風に仕上げた「お伽話」じゃないか…!と思いました。逆人魚姫のような、半魚人という人間とは別である理解し難い謎の生物と人間との愛情・恋愛が描かれていました。アカデミー賞美術賞を獲るのも納得できる美しすぎる画面作りで、一つ一つのセットの作り込みや半魚人の造形が本当にまるで夢の世界にいるような外国の異空間と、ここに住んでみたい…!と思わせるようなオシャレな部屋が素晴らしかった…。言ってしまえばおとぎ話のような分かりやすいストーリーなんですが、それを一つずつ細かく丁寧に仕上げた美術や音楽、盛り込み方で半魚人との恋愛も納得させる作りへ持っていかされた気がする、すごい。あと悪役が最後まで全うした悪役だったのがまたおとぎ話っぽかった(笑)フライヤーの美しい画が沢山観れました。この片足の靴が脱げてるところがまた…声が出せないし…そういうことやったんか…とか思ったり…。

ただ主人公のイライザと半魚人が惹かれあっていく姿は全く描かれず全部すっ飛ばして「一目惚れ」で片付ける潔さとか、半魚人を最初から否定するような引いたりがなく押しつづける一方で、その思い切りがすごかった(笑)イライザが声を発することができないこともその主人公の普通じゃない異質さに繋がってるし。あと気になってたのは、イライザが子供の時に傷つけられた首に残る三本の引っかき傷で、最後らへんで悪役に半魚人が傷つけた引っかき傷にも似ていて、もしかしたらイライザは過去のどこかで半魚人と血筋が繋がっていたんじゃないか?とも思いました。だから反射的に半魚人を受け入れられたんじゃ…?だからこそ最後の結末もこの後イライザがどう暮らしていくのかが気になった。助けてるようで助けられたのか?それともまた半魚人の元で同じことを繰り返してしまうのか?うーん深い!日めくりカレンダーに書かれていた格言で、半魚人と初めて出会う日には「時は過去から流れる川に過ぎない」と書かれていて、やっぱり繋がりあるんじゃ??と思った!あと遅刻魔の伏線がわからないのと、博士や友人、画家がすぐに協力してくれた世界もちょっと謎だった…おとぎ話だからいいのか…?

割と政治的な盛り込みや、指をえぐるシーンとか目を背けたくなるグロ描写もありつつ、どこか悲しさを抱えていて助けたい・逃がしたい・愛したいなど様々な情が訴えてくる。色味もずっと青とか緑だったのが、行為を交わした翌日のイライザの身には熱を表す赤が含まれるようになったり細かった!エンドロールの最後までこの世界に浸っていたいと思える画面の美しいおとぎ話でした!

YUKI:「汽車に乗って」  

汽車に乗って

汽車に乗って

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汽車に乗っての空気感がなんだかとてもこの映画に合ってるな〜と勝手に思いました。なんででしょう、歌詞とかは特に重なってる感じもしないんですが、あのエンドロールの空気感でそのまま聴いてみたいと思いました。いやーそれにしても洋画の主題歌を邦楽で考えるの難しい〜!(笑)

 

 

  

8:リメンバー・ミー

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ディズニー・ピクサーの作品。これもまぁ〜〜よくできた題材だな!!と思いました!血のつながり、家族、伝統、音楽…とかトレンドの塊で、高齢化社会が増えていく中でちょうどドンピシャのテーマを届けられるのが強い。今の日本にぴったりの題材だなと思いました。"死者の国"には現実の世界でそに人の思い出が残っていたり写真が飾られていると死者の日に橋を渡れる・思い出が忘れ去られると死者の国から消えてしまうという設定がもうハチャメチャいいなと思った…語り継がれることで残っていくという伝統…。画面もインスタ映えしそうな色合いだし、受け入れやすいだろうなぁと思った!すごい!

あと憧れが裏切りを犯す展開とかはアナ雪のようで新しいな〜と思いました。そして大嘘つきの家族が急な悪口を使い始めたり、鐘を落として同じような死に方をした時に会場からの大歓声が起こるところとかは、ちょっとやっぱり海外チックだな〜と(笑)あと伝統を大切に継いでいる家族のわりに、先祖のことあんまり知らなすぎじゃね?とも思った。主人公が紐解かなかったらそんなに知らなかったのか…?っていう。音楽がこの映画で重要になってくるからミュージカルチックなシーンも多いんですが、そのパートのせいでどこまで音楽に焦点当てたいのか中途半端に感じるところも結構あったかもしれないです。主人公がどんなところに音楽の面白さを見出してるのかもあんまり語られてなかった…?

話の展開の持っていき方も途中でなんとなくわかるんですが、その種明かしもちょうどよかったと思います。そこに落ち着くべきだよね!っていう。作曲の才能や共鳴する即興性、えくぼや写真など、そのための伏線の張り方もちょうどいい。あと洋画の映画タイトルがひいひいおばあちゃんの名前「COCO」らしくって、それ結構盛大なネタバレじゃ…?!(笑)と思ったので「リメンバー・ミー」という邦題の絶妙な上手さに感心しました!妙に説教臭くならず、先祖を大切にしようと自然に思える映画!

flumpool:「reboot〜あきらめない詩〜」  

reboot ~あきらめない詩~

reboot ~あきらめない詩~

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この曲のサビのメロディーがすごい好きです。副題がダサいけど。そしてこの副題の通り自分自身に訴え続け葛藤しあきらめない心が歌われていて、この映画の主人公が死者の国で憧れの人物を探す姿が浮かびます。副題がダサいけど。

 
 

9:彼の見つめる先に 

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元々あった短編映像を映画化したそうなんですが、90分でありながらとても濃密で全てが青春を切り取る1ページのように爽やかでした。視覚障害者で子供の頃から盲目のレオナルドとそれを支えてきた一心同体のジョヴァンナ、突然現れた転校生のガブリエル…とこの三人の構図だけでめちゃめちゃに健全でもう爽やかじゃないですか?盲目の少年を支えてきたのが幼馴染の女の子というセンスが全くいやらしくなくて最高でした。冒頭で恋への憧れをお互いに語り合うシーンが微笑ましい。そこから徐々にガブリエルが加わるところがまた面白い。この優しい世界だからこそ、ゲイだとかBLだとかそんな簡単な言葉で片付けたくないくらいそれぞれの恋心を応援したいと思える爽やかさがそこにはありました。

授業ではジョヴァンナの隣で点字をタイプライターで打つ音が大きく、同級生からいじわるにからかわれたりするんですが、そんな同級生から一人にならずちゃんと守ってくれる大切に思われる友達がいる世界がもう優しい気持ちになれる。ガブリエルも徐々に介助を手伝うようになり、慣れないながらも彼を考えて助けようとする流れが自然だなと思った、歩く時に段差を注意できなかったのが次に送り迎えする時はできるようになってたり。そんなところからずっと支えてきたジョヴァンナは寂しさを覚えるようになり、これがまた恋とは別の友達としての感情なところから入るのが素晴らしいよね優しいよね…。レオナルド自身も健常者と同等に扱われないことと親からの離れたいと思う気持ちもわかるから難しかったです。

あとところどころ音楽が映画の中でキーになってるのかなと感じました。盲目の彼だからこそ繊細に感じる音を集中的に効果的に魅せてるような?様々な青春を切り取る場面があるんですが、ここでもう一押しあったらこうなんなかったのに!ここまでやってあげて!!とか見てる側がもどかしく感じることが多くて超青春…(笑)結末への持っていき方もハラハラしました…どうなるのか予想がつかなくて…でも最終的にすごく優しい結末を迎えて本当によかったと思える自分がいました。ラストシーンなんて超理想的な展開で、こんな幸せな結末あるのかよ…?って。私自身ゲイとかBLとかに関心があるわけじゃ全くないんですが、それでも自然に観ることができた平和で爽やかな、満足感のある気持ちがいい作品でした。

Base Ball Bear:「GIRL OF ARMS」  

GIRL OF ARMS

GIRL OF ARMS

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この爽やかさには若いベボベを…。歌詞も自分の心の動きを外に出さず、内側で悩み狂うような様子が見えて、この映画のレオナルド・ジョヴァンナ・ガブリエルがそれぞれ抱える悩みがあり、それぞれが悩む姿と照らし合わせることができるな〜と感じました。曲の流れも気持ちいい。

 
街と海と俺の三角関係 水槽の中で、君は睨む
琥珀色に変わった水面は 不幸せの予感を、甘そうに見せていた
 
愛してるの一言で 終われば、それがいい
渚ではしゃぐ夢 重ねて、撃ち合いたい
  

 

 

10:リズと青い鳥

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君の名は。」が流行った時期にやっていた「聲の形」がすごくよかったので、同じ京都アニメーション制作のこちら。どうやら「響け!ユーフォニアム」という吹奏楽部アニメのスピンオフらしいんですが、例のごとくそんな原作関係なく観に行きました。でも全然初見でもひっかかることなく自然に観れた!フルートとクラリネットの二人の物語なんですが、「リズと青い鳥」という一冊の絵本をテーマその絵本になぞらえて二人の物語も進んでいきます。絵本にでてくるリズと青い鳥をそれぞれわかりやすく重ねていかれるんですが、自分の中でどこかで反対になってくれたりしないかな〜と期待していると本当にその通りの展開になって、映画的に面白かったです。でも段々と(もしかしたら二人とも青い鳥だったのかもしれない…?)とも思った。あと見方によっては百合っぽく感じてしまうのかもしれないです。

決して大きな出来事が動いたわけじゃないし、コンクールの本番があったわけでもないんですが、その中で静かに揺らぐ繊細な心の動きを見せるのが上手いなぁ…と思いました。その静かな画面の中で語られてない部分で思うことが色々生まれてくるすごい余白を読み取る手法がめっちゃ京アニっぽい…もうアニメーションの枠を超えてるような…。冒頭の日曜朝練のシーンではなかなか登場人物たちが喋りだしません。だけど朝練に向かうまでの間で主人公のみぞれと希美の足の動きの違い・階段をのぼる順番・上履きの置き方・二人が観ている目線の違いなど、もうそれだけでそれぞれが違う性格なんだなぁと感じ取れる画面がありました。特に希美の後をいつも歩いていたみぞれは、希美が歩くたびに揺れるポニーテールをずっと見てきたカットがわかるんですが、でもその分だけ希美も後ろからついてくるみぞれの足音や振り返るたびに姿を見ていたんだろうなとも思った。本当に画面作りが繊細…(笑)

みぞれが話そうとするタイミングで遮るように話しかけてきたり、みぞれが肩に頭を置くタイミングで立ち上がったり、ハグを提案しておいて取り下げたりと、希美はそれをすべてわかって行動してたのかな…?とちょっと謎が残る。ハッピーアイスクリームのくだりは絶対そこで持ってくると思いました!あと教室の窓を映すシーンが多く、これも「教室という鳥かご」の象徴なのかな?と。特別大きな結末ではないんですが、ラストシーンで二人が教室の鳥かごからでていくシーンもよかったです。初めて希美がみぞれを振り返るシーンが生まれ、心の成長があったのかも。静かで百合かとも錯覚する映画なので人を選ぶと思いますが、でも私は余白を読み取る作業が楽しかったです。立場が逆転する展開もよかった!元吹奏楽部としても懐かしかったです。ただ音楽室は1階じゃないと楽器の搬入大変じゃね!!打楽器とかどうするよ!!

SINGER SONGER:「Millions of Kiss」  

Millions of Kiss

Millions of Kiss

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このSINGER SONGERの主題歌。空気感もそうなんですが、なにより歌詞がすごくこの映画にでてくるモチーフの絵本、「リズと青い鳥」の世界観にすごく合ってる気がしたので選んでみました。

 
 
今日と明日の
その間に
私に会いに来て
あなたのその瞳に
映る未来をください
  

 

 

11:ラプラスの魔女 

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嵐軍団第一弾の映画を少し遅れて観ることができました。が!題材は面白いと思うのに、上手く活かしきれてない感をめちゃ感じてしまいました…。編集が上手くないのか、どうでもいいところに時間を割いて、肝心なところはすっ飛ばししてる感じがすごかったです。場面展開が少なめで、割と時間なかったのかな…?と思った。前半の方、全然話が前に進まない!(笑)過去に時間を割いてるようで、実際に広瀬すず福士蒼汰の間の絆がそんなに強いものなのかが伝わってこなくて、どうしてそこまでして助けたいのかもよくわからなかった…。あと大学教授の翔さんがなぜそこまで巻き込まれるのかもよくわからなくて、そこまで彼の実力がある人なのかが全然説明されないのであまりついていけなかったです。本当に車だしただけなんじゃ…!(笑)

後半の決闘的なシーンのときには、もう何を観に来たのかわからなくなる三池監督あるあるみたいなかんじになってました…(笑)その時の急なカメラアングルにも笑ってしまった。落とし所の「未来は知らない方が夢を持てる」というような結末も、結局そこに落ち着いちゃうのかよ…と。それだったら最後の決闘シーンで誰よりも展開が読めたのは佐藤江梨子でしたくらいのどんでん返しのがまだ面白かったのかも?結局は"僕の人生を彩ってくれたから父親も殺すことはできない"って、お前の8年間なんだったんだよ…!とツッコミ入れたくなってしまった。高嶋政伸のあれだけ追ってたのにいい人なところ、リリーさんの宗教勧誘みたいなカメラ目線の語り口とかところどころ笑ってしまいました。玉キングも教授大好きなストーカーみたいになってて面白かったです。志田未来ちゃんの変な助手がめちゃ似合ってました〜こういう役もっとやってほしい!

福士蒼汰が入院したシーンで意思の疎通をとるところ、意識が本当はあったとかではなく、"反応1回がはい、2回がいいえ、3回がわからない"の設定を上手く使って、どの反応だったかわからない的なミステリーに置き換えたほうが面白かったんじゃ…?とか思ったり(でもそれじゃ東野圭吾から離れちゃうのか…)。三池監督色が強くて、本当はもっとアクションぽいことやりたいんだろうな〜とか感じながら観てました。そもそも超常現象が連続して起きること自体で浮世離れしてくるので、なかなかついていけない。トヨエツがどれだけ偉大な映画監督だったのかもよくわからないので、その凄さも伝わらないというか…それぞれの出てくる登場人物がどういう理由でその行動を起こしているのか、大事なところをもっと説明してほしかったです。誰をこのストーリーの基軸にしていくかを考えたときに翔さんの普遍的な大学教授をストーリーテラーにしたのはベストな判断だったのかもしれないです!ただなにもしてなさすぎだけども!うーん難しい!

サカナクション:「Aoi」  

Aoi

Aoi

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特に歌詞が合ってるとかでは全くないんですが、とにかくこのイントロと曲のメロディーが流れながらエンドロールを観たいと思いました。不思議な空気感で始まるイントロがカッコよくって、この映画の超常現象とかにもハマるんじゃないかという、完全な雰囲気重視で選んだ楽曲です。 雰囲気大事!

 

 

12:恋は雨上がりのように

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深夜にたまたまやっていたアニメが面白くて、そこから原作漫画を無料で3巻くらい読んですごく良くて、(これ以上はハマってしまうから映画終わってからじゃないとダメだ…!)と映画のために止めておいた作品。バイト先のファミレス店長×美人女子高生という最近不倫ものだったり禁断の恋愛的なのが流行る中で、全くそれを感じさせない健全さが好印象でした。原作を読んだ時との違いは、店長より主人公あきら目線でほとんど進むことが多かったなぁと思いました。原作漫画ではもっと店長側の気持ちも吹き出しで描かれていたりしたので、両方の目線で話を進めることができたけど映画ではあきらが店長に対するアプローチから店長の魅力を感じ取らないといけないので、入り込めないとあきらがただの変な人みたいになっちゃうなぁとも。

映画では心の語りが一切なく簡潔なんだけど、その分その場の事象だけで終わってしまうので見方によっては素っ気なく感じて退屈になるシーンも若干あったかも…説教くさいような?最後の終わらせ方もすごく新鮮でした。なにかが終わって閉じたわけではなく、これから始まっていくのを予感させ結末が気持ちよかった。「友達だったらメールとか連絡すると思うんです」って…こういうのもありだなと思いました!あと音楽の効果がすごかったです。むしろ音楽が主役に聴こえるところも多かったので若干うるさいところも…?映像表現としては冒頭のファミレスの店内を描くワンカット撮影がすごかった!ファミレスの騒がしい描き方が超楽しい!あとは同じシーンを色んな人の視点で振り返る映像マジックが新鮮だし印象に残る。デートのシーンではバイトの先輩と店長とで、同じ場所と行動なのに相手によってこうも表現が変わるのかと比べられて面白かったです。

俳優も原作からそのままでてきたかのような仕上がりの小松菜奈ちゃんは、もう演技どうこうの話じゃないくらいそのままなのでずるい!(笑)あと大泉洋は私基本どの作品観ても大泉洋にしかみえなかったんですが、今作は割とちゃんと冴えないおじさんに見えてよかったです。脇を固める人も安定してるし、中でも大泉洋の大学の同級生親友役としてNACKS戸次さんが出演してるのが激エモくって、そこがなんかすごい泣けた…(笑)戸次さんの放つ「俺たちは大人じゃねぇ、同級生だ」というセリフの重みが超ずるい…。もっと本腰入れて原作読みたくなりました!ラストがとにかくよかったです!

RADWIMPS:「サイハテアイニ  

サイハテアイニ

サイハテアイニ

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このRAD曲の爽快感と疾走感が、めちゃめちゃ映画の中で主人公あきらが走るOPに合わせて後ろに流したくなりました。それ故にこのセレクト!エンドロールもきっと合うと思います。歌詞を見てみても、なんとなくそれっぽいというか、あと陸上部の友人との関係もみえてくるところがいいなぁと思いました。

  
僕にないものばかりで 出来上がった君だから
君の全部を知ろうとして いけないことなどないでしょう?
  
 
 

13:万引き家族

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私是枝さんの前作「三度目の殺人」が本当に観るのがぐったりしてしまって(笑)、この作品の製作が発表された段階から、あーよかった!とすごく安心していたので、その期待通りの収まり方でいつもの是枝さんの作風でとてもよかったです。「海よりもまだ深く」みたいな作風が好きだし、やっぱり是枝さんには子供が出てくる映画をずっと撮っていてもらいたい。普通に現代目線で考えたらそこそんな上手くいくもんか…?という疑問もいくつかでてくるんですけどそこはわりと乗り切ってる感じ…?万引きとか窃盗ってそんなばれないもんかなぁ…?あと年金暮らしとかもそんなのでやり過ごせるの?とか。こういう疑問も生まれるからやっぱり海外からの評価のが高いのかもしれないですよね。まぁその物理的な疑問も全部のみこんで家族の話をずっと観ていたいと思えるのが是枝さんの上手さというかずるさというか…?(笑)

城会吏くんの演技力がすごく注目されてますが、やっぱり安藤サクラの演技の上手さに惚れてしまいました。この人が数年前に最優秀主演女優賞をとれて本当によかったと思った、もっとこの人の演技の上手さを知られるべきですよね…!妹の誘拐される子役の子もすごく自然で、この演技指導できるのも是枝さんだからじゃん…と嬉しくなる。樹木希林の存在感はやっぱり作品の支えになってるし、物語の支柱になってました。海のシーンで認知症がはじまってるところは見事でしたね…すごいやぁ。

血の繋がってる人はこの中で少ないけど、この家族の普遍的な生活はどこの家庭にもあるもんだなぁ…と思ってるうちに、これってなんだか「この世界の片隅に」にも似てるな?という感想ももちました。是枝さんってこういう普遍的幸せとかクスッと笑える雰囲気を描くのがうまいし、そういうところが好きだったと思い出しました。あと接見室、海、縁側、雪、台風大雨、お風呂…とまぁ生活してたら欠かせないけど、これまでの是枝作品の中に関わるシーン?が沢山でてきてるような気もしました…考えすぎ?(笑)

万引きは「まだ誰のものでもないからとってもいい」という教えや、「家で勉強できないやつが学校に行く」という教えも独特でいいなぁと思いました。あとは後半で城くんが保護されてから学校に通うようになり、その後リリーさんと釣り場で会った時にすごい量の知識を話す子供を見て、「それどこで知ったんだ?」『本とかかな』というシーン、リリーさんに気を使ったのかなと感じて切なかったです…。警察に供述するシーンでは安藤サクラ「拾ったんです。誰かが捨てたものを拾ったんです。捨てた人が他にいるんじゃないですか」というセリフにとてもぐっときました。特別に何か解決した終わり方ではなかったけれど、でも確かにこの映画の中で自分の心を優しくかき乱された気持ちになりました。パルムドールおめでとうございました!

細野晴臣:「驟雨の街」  

驟雨の街

驟雨の街

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確かはっぴいえんど時代の未発表曲。今回の映画の主題歌などを細野晴臣が務めたそうで、だとしたら同じくこれ最後も細野晴臣で締めたい…!と思い、松本隆作詞のこの素敵な曲で心地よくエンドロールを眺めたいと

思いました。

 
孤独ってありふれた毒を
 
ひとしずく飲んでは生きてる
ねえ巻尺で測ろうか
幸福まで何センチかを  
 

  

 

 14:空飛ぶタイヤ

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万引き家族と同じ日に観たんですが、テイストがこれまた全然違いました。王道の池井戸潤感がすごかったです。これも原作がとにかく面白いんだろうなという大元の話の魅力を節々に感じる展開でした。その原作のことを考えるともっと泥臭い人たちを集めたキャスティングのがぴったりだったんじゃ…?とも思ってしまいました。ちょっと出てくるメインの人がみんな綺麗な顔しすぎというか…?(笑)あと遺族の元に行くと突き返される、悪そうな顔して会合、亡き人の子供の純粋な言葉、自分の家族と照らし合わせる、刑事の昔ながらの刑事感…とか、これまでの邦画で散々見たようなあるあるシーンがいっぱいでてくるのが、ちょっともう観るのキツイかなと思ってしまいました(笑)冒頭からタイヤが空飛んで、話がかなりすっ飛ばされるけど途中から全然話が進まなくてちょっと飽きてしまいました。ただただ長瀬くんが動き回ってるような。ただ部品が返されない・週刊誌に載らない・佐々木蔵之介から託された書類の事態が動き始めるところはワクワクした!

ディーンさんは企業側の人間だから最初は悪者なのかと思ってたけど、企業側の内部でもなにか疑問を持って訴えている、長瀬くん側の意見を持って戦おうとしてる人もそりゃいるよなぁと思わされました。組織のみんながみんな同じ気持ちでいるわけではないというか。あとジャニーズJr.の阿部顕嵐くん、初めて見たんですがすごくいい演技してました!長瀬くんのバーターとしてなんだろうけどバーター以上の最初のキーパーソンとなる役をちゃんとこなしていてすごかったです!あと岸部一徳木下ほうかとか、悪役のレギュラー感がすごいですね(笑)もう顔でこの人が悪いんだろうなってのがすぐ分かるからなんの裏切りもないというか、もっと新しい悪役でてこないかな〜という期待がありますね今後の俳優界隈…!他にもムロさん中村蒼、富山弁の佐々木蔵之介だったりと、ちょい役なのに豪華なキャスティングがされていて画面が華やかだった(笑)話が派手じゃないから俳優で補うような?

主題歌のサザンの泥臭さがかっこよかったです。ラストシーンはちょっとまた邦画あるあるのクサいやり口かなと思ったけど(笑)メインキャスト扱いされていた高橋一生がなにをしたのかがあまり派手にはわからないから、映画からはあまり主要人物感がなかったような気もする…?原作すごそうだな〜!ととにかく思いました。でもあんな文量私には読める気がしないので映画でよかったかも!

ウルフルズ:「ヤング ソウル ダイナマイト」  

ヤング ソウル ダイナマイト

ヤング ソウル ダイナマイト

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本作リアル主題歌のサザンの泥臭くてカッコイイ雰囲気で他に合うアーティストいないかな〜と考えたときに真っ先にでてきたウルフルズのこの曲。トリビュートでカバーしていたSuperflyのバージョンもよかったんですが、本家のこの勢いがより男臭い社会を表してる気がして是非とも聴きたいです。

 

 

ということで上半期映画まとめ以上です!いやー上半期だけで14本のスタートは過去2年で一番多いんじゃないかと思います。それだけ観たいと思える映画が増えるのはやっぱり嬉しいです。上半期で一番好きだったのは「スリー・ビルボード」かな〜!

あと今回は映画見てる最中に前の方で携帯開いてその明かりが邪魔になったりしまいには撮影しはじめてたり、映画の途中でカップルが大声で喧嘩し始めてでていく騒ぎがあったりとか、割と映画館のマナー講座的に注意されてる自体によく遭遇することがあって、(マジやめてくれ〜…こっちは映画楽しみにしてきてんじゃ〜……)と思いました(笑)

マナーよく映画は観るように気をつけましょう…映画館は家じゃないんでね!みんなも同じだけの値段払って観てるんで!

 

すでに上半期で観に行けなかった映画もありますが、下半期も映画ライフ楽しみです〜。